一見いいことだらけに見えるOTIOだが、問題は良くも悪くも、オープンソースプロジェクトであるという事である。DaVinci Resolveは標準で組み込んでしまったので特に何もしなくても今すぐ利用できるが、対応しているといわれているAdobe Premiere Proでは、Adobe自身がまだサポートしていない。
ではどうやるかと言えば、GitHubのPremiere用拡張機能のページへ行き、そこからソースをダウンロードして自分でビルドしたのち、Premiere Proの拡張機能(エクステンション)フォルダへ自分でインストールするという作業が必要になる。ビデオ編集者で、自分でソースからビルドできる知識がある人は少ないだろう。またGitHubのページ以外に情報がないため、存在がほとんど知られていない。
OTIOはまだβ版で開発はどんどん進むので、それに合わせて編集ツールが逐一アップデートもできないだろうから、拡張機能として外入れするというのは妥当ではあるが、開発環境も持たない編集マンにソースからビルドしろというのは厳しい。DaVinci Resolveのように機能として組み込むか、各ソフトベンダーがバイナリなりインストーラを配布してないと、その実力をテストすることもままならない状況にある。
とはいえ、タイムラインの互換環境が拡がれば、1つの編集ツールや、同じベンダーのツールでそろえるといった制限がなくなり、多くのツールを組み合わせて1つのコンテンツが作れるようになる。そういう意味では、各ベンダーともに対応するメリットは大きいはずだ。
今回のDaVinci Resolveでの採用は、そうした動きに拍車を掛ける意味もあるだろう。
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