ITmedia NEWS >
Tech Starter

HIKAKINやかまいたちも絶賛、おしゃべりAI「Cotomo」 自然な会話はどう実現? 創業者に聞く(3/3 ページ)

» 2024年03月29日 10時00分 公開
前のページへ 1|2|3       

国内外からの評判は? ユーザーの声

 海外にも、音声で話しかけると音声で返事をするAI音声アプリはいくつかある。ただ、アプリに求めるものの違いもあるためか、Cotomoのように共感を持って目的もなく会話をするものはあまりない。英会話をはじめ何らかのトレーナーのような人格になっていることが多いようだ。

 実際、Cotomoのユーザーからも「英語の練習がしたいので英語をしゃべらせてほしい」という要望が寄せられることがあるという。ただ「しゃべらせようと思えば結構いけそうだが、英会話の練習ができる機能をこのアプリの中に入れてしまうのはちょっと違う」といい、実現するとしても別のパッケージを考えることになるだろうと内波氏は説明する。

 Cotomoが話す様子をSNSや動画で見た海外ユーザー、特にベトナムやインドネシアなどアジア圏のユーザーからは「早くうちの国でも使いたい」とのリクエストがかなり届いており、こうした海外への展開も考えているそうだ。Android版の公開も、具体的な時期は未定だが、検討しているという。

アプリ課金と音声対話エンジンの提供でビジネス展開を図る

 Cotomoのビジネスモデルについては、アプリそのものの収益化と、AI技術の応用によるマネタイズの2軸で考えているという。

 「アプリについては、AIとのコミュニケーション自体に価値を感じるユーザーが大勢、継続して使ってくださっているので、サブスクリプション課金やよりリッチな機能への課金でビジネスを成立することも可能ではないかとイメージしています。ただ、せっかく今まで誰も体験したことのない体験をアプリにしているので、より使ってくださるユーザーのアクションを見ながら、今までにないようなビジネスモデルを見つけ出せるよう、試行錯誤したいと考えています」(内波取締役)

 もうひとつの自然な会話を可能にする技術の応用については、コンピュータやAIと人間とのインタフェースとしての利用を検討している。

 「使う人のITリテラシーがなくても、自然にコンピュータやAIに何かをやらせるためのインタフェースに利用できると思います。自然に対話ができる音声のエンジンを他の企業が利用できるAPIのようなかたちで提供し、さまざまなサービスでユーザーと自然なやり取りを可能にする使い方が考えられます。例えば、アプリの中でアニメやゲームのキャラクターがしゃべれるようにすることや、カスタマーサポートとしてAIが自動で対応してくれる使い方もある。音声対話エンジンの提供で、ビジネスが広がるのではないかと思っています」(内波取締役)

 今後、AIが人々の生活に密接に関わるようになったとき、Starleyは自然で親しみやすい対話で社会課題の解決に貢献したいという。高齢者なども含め、さまざまな人がAIとの会話を通じて心の支えを見つけられる未来を、Cotomoとその音声対話技術によって目指すとしている。

前のページへ 1|2|3       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.