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カンペ見ても「カメラ目線」へ自動補正 動画のAI吹き替えツール「Captions」にPC版、実際に試してみた小寺信良の「プロフェッショナル×DX」(3/3 ページ)

» 2024年03月29日 18時00分 公開
[小寺信良ITmedia]
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完璧ではないものの……

 タイトルとは違い、言葉のテロップ処理はなくてはならないというより、あったらよりベターという作業ではある。ただそれを演出効果としてオモシロおかしく使いたいというニーズは、日本においてはテレビの影響もあり、初期のYouTube動画でも積極的に使われてきた手法である。

 しかしこれを手動で行うには大変な労力がかかることから、割に合わない作業とされてきた。これがAIを使って楽ができるのであれば、歓迎されるだろう。

 ただ現状のCaptionsは、テロップの区切りや改行位置などはAI任せで、それが日本語の切れ目として正しくないケースもかなり散見される。手動で全部やるよりはマシだが、思ったような効果にするのであれば、かなり修正が必要になる。

 このあたりのセンスは国ごとに違いがあり、各原語への最適化はかなり大変な作業になるだろう。幸いテンプレートの編集や自分で効果を作る事はできるので、各言語のネイティブスピーカーがそれぞれに、慣習として馴染むテンプレートの作成と、それの共有機能は欠かせないところかと思われる。

日本語のままでテロップのみ入れてみた例

 編集ソフトも多くはAIによる文字起こしに対応し、一般的な字幕を入れるところまではできるようになった。Captionsもデスクトップ版では編集機能を搭載し、オールインワン化を目指すのかと思っていたのだが、どうもそういう方向にはないようで、あくまでもテロップや翻訳を含むAIプラットフォーム化していくようだ。

 今後Captionsのような特殊ツールが生き残る道は、各言語の翻訳と、テロップエフェクトの実用度にかかってくる。今は編集後の完パケを食わせて処理というスタイルだが、この機能がAPI化して編集ツールからアクセスできるようになると、また違った展開になるだろう。

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