どちらの部屋も、特徴は「防音」と「ネット環境」。前者は窓に二重サッシなどを採用することで「D-70」の防音性能を実現した。具体的には工事現場の騒音が、住宅街の環境音や時計の針が動く音程度にまで小さくなるという。
それぞれの部屋が隣り合っていたので、許可をもらった上で1Kの部屋でピアノを弾いてもらったり、スピーカーから大きめの音でハードロックを流したりしてもらったが、2LDKの部屋からは全く聞こえなかった。
音量を計測する機器でのテストも行ったが、90dbほどあったピアノの音が、扉の外では50〜60db、隣の部屋では28〜30db程度にまで減衰。ほぼ環境音と同じくらいにまで小さくなっており、隣の部屋からは耳をすましても聞き取れないくらいだった。
外からの音も気にならない。近隣は車の往来が多少あり、付近の学校からはチャイムや子供の声も響くが、防音スペースの中からはほぼ聞こえなかった。
もう一方のネット環境は、各戸に最大1Gbpsの回線を用意。より強力な回線を希望する場合は、オプションで最大10Gbpsの「NTTフレッツ光クロス」を導入できる。
内覧時はデモ用として最大2Gbps程度の回線が利用可能だった。有線接続したPCでスピードテストを実施したところ、上りと下りの双方で2.3Gbps程度が安定して出る結果に。Ping値も4〜13ms程度。今回の回線はデモ用なので、実際の環境と同一でなく、参考程度ではあるが、オンラインゲームや配信には十分だろう。
その他、室内にはゲーム実況者の利用を想定した設備が満載。例えばインターフォンは音声式ではなく、光で来客を知らせるものを採用していた。
2LDKの防音スペースには、天井にレールとアース付きコンセントを完備。照明や家具を配信映えするレイアウトで配置できるようにしてあった。いずれの部屋も、クローゼットは縦に大きめ。ゲーム実況や音楽好きの入居を見込むため、コスプレ衣装や楽器演奏用のドレス、機材が収納できるようなサイズ感にしたという。
総じてうたい文句通りに防音・ネット回線を重視した部屋だが、気になるのはお値段だ。家賃は部屋により13万2000円から28万円で、例えば今回内覧した1Kの部屋は管理費込み15万4500円、2LDKの部屋は同22万100円という。
同マンションを開発したリブランはもともと、ミュージシャンや楽器好きな人向けに「ミュージション」と題して防音マンションを開発していた企業だ。コロナ禍でゲーム実況が流行した結果、ゲーマー・配信者からの需要も高まり、新たにネット回線を強化した「ミュージション plus」を開発するに至ったという。
実際、ミュージションは会社員をしつつ趣味で音楽をしている人などの利用が多いと同社。取材した3月時点では、ミュージション plus 世田谷経堂も含め、ミュージションシリーズ全体で5000人以上が入居を待つ状態という。
需要を受け、リブランは2025年冬以降に新たなミュージション plusの開発を検討中。防音のみのミュージションは年内に6棟程度増やす予定という。
ケーブルが全部Type-Cだと!? マネフォの「情シスが作ったオフィス」、実際に行ってきた【動画あり】
PFUで働くみんなのデスク環境 「HHKB」や「ScanSnap」を支える机たち
IIJ新卒エンジニアたちの“おうち紹介記事”がIIJすぎる ネットワーク図は当たり前 自宅サーバルームも
日本IBMで働くみんなのデスク環境 ステキ机ずらりCopyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR