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「教授5人に研究成果を持っていかれそうになった」──タレント・村木風海さんの発言が物議 東大「現在調査中」

» 2024年04月17日 13時43分 公開
[松浦立樹ITmedia]

 「大学にいたとき、教授5人くらいから研究成果を持っていかれそうになって、戦ったこともありました」──ホリプロ所属のタレントで、二酸化炭素を回収する装置「ひやっしー」を開発する村木風海さんが、テレビ番組「そこまで言って委員会NP」(4月14日放送)で発言したこんな内容が物議を醸している。X上では「事実ならば問題になるのでは」と指摘する声などが上がっている。

ホリプロの公式Webサイトから引用

 この番組では「日本経済の起爆!? ベンチャー企業徹底応援SP」と題したベンチャー企業の特集企画を放送し、村木さんを取り上げていた。番組では、村木さんの半生を描いたミュージカルのVTRを放映。それを見た村木さんが問題の発言を行った。

TVerの配信ページから引用

 ITmedia NEWSが東京大学工学部(化学生命工学科)に取材したところ「本件、事実関係について調査を進めております」と返答があった。

 村木さんは2019年4月に東京大学教養学部前期課程・理科I類に推薦入試で入学。その後、工学部化学生命工学科の研究室に配属されたが、23年3月に中途退学した。現在は空気中から二酸化炭素を回収する技術の研究などに取り組んでおり、これまで開発した製品には、二酸化炭素回収装置「ひやっしー」がある。

村木さんの公式Webサイトに記載されたプロフィール(一部)

 ひやっしーは「部屋に1台置くだけで、二酸化炭素を回収してくれるので、あなたも地球温暖化の解決に貢献することができる」とうたう製品。その仕組みは、アルカリ性水溶液を通して二酸化炭素を回収するというものだが、この効果について「地球温暖化の解決にはならない」と指摘する声や、その性能を疑う声もある。

二酸化炭素回収装置「ひやっしー」

 こうした背景から、X上では「事実なら重大な研究不正・アカハラなので、東大はきちんと調査して公表すべき」などの意見が上がっている。一方、「大学教授5人が1人の学部生を取り囲むような状況なんてあるのか」など、村木さんの発言に疑問を呈する向きもある。

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