4月22日、「Vポイント」と「Tポイント」が統合し、”青と黄色のVポイント”としてスタートした。双方のアプリやWebからID連携が可能になり、連携によって残高が統合される。Tポイントの会員数は1.28億ID、Vポイントの会員数は2600万ID。単純合算で会員数は1.54億IDとなり「日本最大級のポイントサービス」をうたう。
会見で、Vポイントを運営するCCCMKホールディングスの撫養宏紀取締役は、「ポイントと決済が融合し、経済圏に縛られない新しいサービスだ」と、新Vポイントをアピールした。
昨今、共通ポイントは自社の経済圏にユーザーを囲い込むツールとして機能している。そうした経済圏作りで成功してきたのが楽天であり、同様に経済圏を作り上げようとしているのがPayPayだ。一方、Vポイントは敢えて経済圏を作らない選択を採った。貯まったポイントは、旧「Vポイント」アプリから名称変更した「VポイントPay」アプリを通じて、世界中のVisa加盟店で利用できる。この点が、他の共通ポイントに対する新生Vポイントの最大の特徴だ。
またポイントの貯まりやすさもアピールする。従来のTポイント加盟店に加え、4月22日からはすき家やはま寿司、ジュンク堂書店など複数チェーン店でもVポイントが貯まるようになる。三井住友カードも、コンビニやファミリーレストランなど複数の特約店で7%超のVポイントが貯まるため、Vポイントカード提示&三井住友カード利用でダブルで貯まる。
他のポイント経済圏に比べ、このようにリアル店舗に強いところがVポイントの特徴だ。逆にいえば、ネット決済については「Visaの加盟店ならばどこでも使える」という点にとどまる。
歴史が長く多くの会員を持つTポイントのユーザー基盤をうまく活用するため、今回の統合は実のところID連携によって行われた。実は、Vポイントがひも付くID基盤は、旧TポイントのID、三井住友カードが発行するVpassのID、三井住友カードのクレジットカード番号、三井住友銀行のSMBC IDと4種類がある。このそれぞれのIDを相互に連携させることで、残高が共有されるというのが今回の仕組みだ。
そのため、同じVポイントであってもID統合までは発行会社ごとに残高は管理されるし、発行会社によって性質の異なるVポイントが発行される。例えば、期間限定や利用用途限定のVポイントを発行するのは旧TポイントのCCCMKホールディングスだけだ。
このように、裏側のIDやポイント発行の基盤はそれぞれが別々に持ったまま、相互にIDを連携させるという方法で、VポイントとTポイントは統合された。文章で書くと複雑な仕組みだが、各社が提供するアプリには「ID連携」のメニューが用意され、連携したいIDでログインすれば残高が統合される。比較的シームレスで裏側の複雑な仕組みを意識しない作りになっているといえるだろう。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR