中古再生品以外にも、家電の販売方法は近年大きく変化している。毎月定額で支払うサブスクリプションプランや登場や、家電量販店で値引き販売をしない指定価格制度などがある。
メーカー再生品はいわゆる中古販売とは異なり、きちんとメーカー自らが整備している点がメリットだ。環境保全の観点からAppleなどさまざまなデジタル機器販売で採用されており、この流れが家電製品にも広がってきているわけだ。
しかしメーカー再生品を含む中古製品は、価格設定が難しい。パナソニックは多くの製品で指定価格制度を導入していることもあり、新品の販売価格より2〜3割安く価格を設定できた。しかし日立GLSのリファービッシュ品の価格は、市場とほとんど変わらないものもあり、メリットがやや薄く感じられた。メンテナンスや保証にコストがかかるため、安価に設定しにくいようだ。
またメーカー再生品は、再生対象の製品仕入れが不透明なうえ、個体ごとに再生に要する時間やコストが異なるため、多くが一点モノとなってしまう。結果的にユーザーが指定の製品を狙って買うのは難しい。
とはいえユーザーにとって、少しでも安く家電を購入できる点は大きなメリットだ。自動車業界における中古車市場のように、家電の中古市場が今後大きくなっていく可能性は非常に大きい。そのためにはまず、メーカー再生品そのものの認知が広がる必要がある。
Panasonic Factory Refreshは、4月10日の発表後、在庫切れの製品が多数出るなど非常に好調だとしているが、販売数を追うのではなく、家電の新たな循環スキームの構築を第一義とした取り組みだと強調した。
今、家電の買い方が大きく変わろうとしている。新品、中古、メーカー再生品、そして、月額払いのサブスクまで、ライフスタイルや予算など、さまざまな条件で選ぶことができる。メーカー再生品は今後、買い方のバリエーションの一つとして広がっていくだろう。
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