Tesla、X、xAIなどのCEOを務めるイーロン・マスク氏が、Tesla向けの予定で確保したAIチップ数千個を、XおよびxAIに転用するようNVIDIAに命じた──CNBCが6月4日(現地時間)、独自に入手したというNVIDIAのメールに基づいてそう報じた。これにより、Teslaへの5億ドル相当のチップ導入が数カ月遅れる可能性があるという。
CNBCが入手した昨年12月のNVIDIAのメモには「イーロン(マスク氏)は、TeslaではなくXでのH100(NVIDIAのGPU)クラスタの展開を優先しており、当初Tesla向けに予定していた1万2000個のH100をXにリダイレクトした」と記されていたという。4月下旬のメールには、Teslaの第1四半期の業績発表後の電話会見でマスク氏が「2024年末までにTeslaでのH100の稼働数を3万5000から8万5000に増やす」と発言したことは、「予約と矛盾する」と書かれているという。
マスク氏は1月、Teslaを「AIとロボット工学のリーダー」にするには自分の議決権(約25%)が足りないとポストした。この状況のままであれば「Tesla以外で製品を作るのが好きだ」と。
この記事が公開された後、マスク氏はXに、Teslaのテキサス州オースティンの工場が未完成なので、TeslaにはGPUを受け入れる余裕がないとポストした。
NVIDIAは3月、AI向けプラットフォーム「Blackwell」を発表した際、このプラットフォームを採用する企業として、OpenAIやGoogleとともにTeslaとxAIを紹介している。
xAIは5月、60億ドル(約9400億円)を調達し、この資金を高度なインフラ構築と研究開発に使うと発表している。
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