iPhoneにタイヤをつけたようなクルマ」と表現されるTesla。IT・ビジネス分野のライターである山崎潤一郎が、デジタルガジェットとして、そしてときには、ファミリーカーとしての視点で、この未来からやってきたクルマを連載形式でレポートします。
筆者のModel 3は、2021年9月の納車から、はや2年半が経過しました。60代も後半に突入すると時計の針が加速度をつけて怒濤のごとく進んでいくように感じます。筒井康隆氏の小説で「急流」という、時間の進みが加速度的に早くなり、最後は時間がごう音と共に滝つぼの深淵へと落ちていくという、ドタバタ作風の名作があります。そんな感覚です。そんなわけはないか……
愛車のModel 3は大きなトラブルもなく、日々順調に走っています。時々、降ってくるソフトウェアアップデートのたびに愛車の魅力は増し、クルマとしての「価値」は下がるどころか向上しています。
誤解があるといけないので付け加えると、ここで言う「価値」とは、査定時の下取り額のような金銭的価値ではなく、自己の内奥に確かな手応えで存在する「愛車精神」に依拠した価値です。
余談ですが、最近のアップデートでせっかくの価値を下げてしまう変更がありました。雲ひとつない晴天の空の下、突然、オートワイパーが結構な頻度で誤作動するようになりました。
一般道ではオートワイパーの設定をオフすればいいのですが、高速道路でオートパイロット(運転支援機能)作動中は、オフにはできない仕様です。通常のように雨滴感知センサーだけではなく、カメラだけで周囲の状況を判断しているTeslaだからこそのマヌケな所業なのでしょうか。はやくなんとかしてください。
前置きが長くなりましたが、今回はEV補助金について触れます。EV購入時に日本政府が補助金を支給しているのはご存じでしょう。現在適用される「令和5年度補正CEV補助金」の場合、Model 3 RWDには65万円、同ロングレンジ(LR)には85万円、Model Y RWDと同LRには65万円が支給されます。
同じTeslaでも金額に差異があるのは、クルマに関する要件に加え、充電インフラ整備やアフターサービス体制の確保、災害時の地域との連携等、メーカーの取組を総合的に評価したためとしています。
Model 3 LRが85万円と満額評価です。電費性能などに加え、スーパーチャージャーという独自の充電ネットワークが評価されたためだと思われます。Model Yは、航続距離が短いがために65万円にとどまった可能性があります。
詳しい仕組みを知りたい方は「CEV補助金における評価の基準について」をご確認ください。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR