三上さんは「バッテリーではなく、単四形乾電池2本を電源に使っているのも、もしコンサートの最中に電池が切れてもすぐに交換できるようにとの考えからです。また、乾電池ならコンビニやキオスクでも買えます。バッテリー持続時間も、14倍のものまでは約30時間、16倍のものは、レンズを大きくした分、スタビライザーのプリズムを可動させるパワーがより必要になるので約16時間となっています。電池を替え忘れても2時間のライブに1週間通えるという感じです」と話す。
明るいレンズの使用もユーザーの声を反映している。コンサートに双眼鏡を持って参戦する方のSNSを見ると、明るさを気にしている人が多かったのだという。
「ステージ上でスポットが当たっている時だけでなく、スポットが当たっていない時の表情がちゃんと見えることが結構重要みたいです。モニターなどには映っていない時の推しの表情を自分だけは見ていたい、といったことを感じられているのかなと思います」と三上さん。
当たり前だが、倍率が高い双眼鏡は、その分暗くなることが多い。そのあたりの知識がないと、せっかく高倍率の製品を買っても、満足の行く視界が得られないということもある。推し活グッズとしての双眼鏡が、実はかなりのハイスペックを要求するというのは、使えば使うほど分かってくる。だからこそ、決して安くないし、重さもそこそこある防振双眼鏡を選ぶ人も多いのだろう。
明るさに関しては、「ATERA II ED H16×50WP」の場合、明るさの表示は「9.3」となっている。これは、実用上十分の明るさではあるし、16倍という倍率からするとかなり明るい数値だ。
しかし、低倍率の製品では「16」くらいは普通にあるので、明るさでいえば「16倍の双眼鏡にしては明るい」という程度。しかし、実際に使ってみると、その数値以上に明るく感じる。それも視野がブレないからなのだろう。
特に、暗いところでは、視界がブレると何が見えているのか分かりにくい。視界が止まっていれば、実際の明るさ以上に、クッキリ見えるのだ。
また、EDレンズによる発色の良さ、コントラストの高さも、視界を明るく感じさせる要因になっている。このあたり、数値では分かりにくい、実用性の高さを感じる部分だ。
この製品の面白さは、スペックだけではない。例えば、付属するキャリングケースだが、これがミニトートバッグという名称になっている。「従来の双眼鏡のケースって、結構いかついんですよ。そういうものではなくて、ペンライトとかそういったものも入れられる余裕を持たせたバッグ状のものにしたんです。しかも、今回からは周囲に透明ポケットを付けました。ここに推しの写真を入れたり、缶バッジをつけたりして使ってもらえたらと思っています」と三上さん。
このケース、本当によくできていて、女性が持つと可愛らしく、男性が持っても不自然でなく、それなりに大きな双眼鏡の大きさをあまり感じさせずに持ち歩くことができる。
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