また、このケースごとバッグに入れても、思ったより場所を取らず、出し入れも楽なのだ。このケース1つとっても、このハイスペックな双眼鏡が、女性メインで作られているのが分かる。「女性も使える」ではなく、「男性も使える」双眼鏡なのだ。
それが、この重さで、このスペック。推しの現場に臨む人々の真剣さに、きちんと向き合っている製品作りの姿勢が素晴らしい。
その証拠の1つが、グリップストラップを止めるゴムのパーツが、最初から5色入っていること。本体のどこかに、推しのカラーを付けられるパーツを入れたかったのだそうだが、使い勝手やデザインを考えると、着脱可能な部品を付けることが難しく、ならば、ストラップに付けようということになった。
しかも5色の色は、ハッキリと赤や青というのではなく、青と緑の中間とか、黄色とオレンジの中間といった、やや曖昧な中間色を採用。なるべく多くの色に対応できるようにしてある。なんとも、推し活周辺事情を理解した製品作りではないか。
「女性が持った時には、シックでゴツくならないようにと色もデザインも考えました。ロゴもシャンパンゴールドにしたり。ただ、この製品の場合、野鳥観察にも使ってもらいたいと思っていたので、できるだけ自然の中にある色をイメージして、ブラックブラウンという色にしています」と三上さん。
バードウォッチング用の双眼鏡というのは、通常8倍くらいで、16倍くらいのフィールドスコープを使用。三脚に付けたりして使うことが多いのだそうだ。三脚を使うせいか、これまであまり防振双眼鏡は浸透していなかったらしい。そこに向けて、手持ちで使えて、しかも飛び立つ鳥も追えるというのは、かなり衝撃的な製品になりそうだ。
「専門サイトも作る予定ですが、天体観測にもいいと思っています。止まって見えるということでは天体望遠鏡と似た感じですけど、両眼ですから立体感があるんです。丸さを感じるといいますか。それほど大きく見えるわけではないのですが、大きなクレーターはしっかり見えます。多少、難易度は高いですが、多分、宇宙ステーションも追えると思いますよ。手持ちで見られる16倍の双眼鏡というのは、そういう感じで可能性が広がると考えています。新しい使い方をユーザーさんに見つけてもらえるとうれしいですね」と三上さん。
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