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ビクセンの防振双眼鏡「ATERA」、実は女性のために作られた最強の“推し活アイテム”だった分かりにくいけれど面白いモノたち(3/7 ページ)

» 2024年07月30日 13時01分 公開
[納富廉邦ITmedia]

 実際、完成した製品の重さは、電池・ストラップ別で840g。数値だけで見ると、これはかなり重い。しかし今回、この記事のためにお借りして、しばらく使っていたのだけど、思いの外、重さを感じなかったのだ。

このグリップストラップの位置や、シンメトリーなボディデザイン。角のない曲線を多用した形状、スリムなボディなど、重さが負担になりにくいように作られている

 左右、どちらにも付けられるグリップストラップの位置がよく考えられているようで、片手で持った時でもさほど重さを感じず、両手で持っていれば、ライブで5分程度の曲を最後まで見ても、双眼鏡の重さが負担になる感じはしなかった。

 これは、重心バランスや持ちやすさが計算されているということもあるけれど、見たい部分でピタリと止めて見ることができて、しかも、相手が動いても追うことができるスタビライザーの性能の高さや、視野の明るさ、鮮やかでコントラストの高い視界といった「見ることへのストレスのなさ」に拠る部分が大きいように思った。

16倍ってどんな感じ?

 16倍という倍率がどのくらいかというと、私が試した範囲でいえば、例えば茅場橋から約200m離れた上流の鎧橋を見た時、橋の上を通る自動車の運転席に座る人の顔が確認できるくらい。ライブハウスで前から8列目くらいに座って、ギターを弾く演奏者の左手をアップで見ることができるといえば、なんとなく伝わるだろうか。

 通常、このくらいの高倍率になると、見たいものを探すだけでも大変になるし、見えたとしても対象が動けばすぐに見失う。しかも、対象がじっとしていても、手ブレで視野がブレて固定するのはとても大変になる。

茅場橋からiPhone11Proで鎧橋を撮影。「ATERA II ED H16×50WP」を使うと、この約200m離れた向こう側の橋を通る自動車の運転手の顔が見える。16倍の防振双眼鏡の見え方が伝わるだろうか。防振機能がないと、多分、走る自動車の運転席を追うのはかなり難しいと思う

 ところが、この「ATERA II ED H16×50WP」の場合、スタビライザーをオンにすれば、大体の検討を付けて見たいところに双眼鏡を向ければ、視界が鮮明な上にブレないから、ゆっくりと双眼鏡を動かしていけば、見たいものを視界の中央に簡単に収めることができるのだ。それこそ、ギターを弾く左手を見て、押さえているコードをメモするみたいなこともできてしまった。つまり、片手で双眼鏡を持って、もう一方の手でメモをしても対象を見失わないのだ。

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