HATENALABOの「Tamatamago(タマタマゴ)」は、卵形の意思決定ツールだ。石膏で作られた卵の上部にある穴に、小さなボールを入れると、下部の3つの穴のどれかからボールが出てくる。その3つの穴を、例えば「やる」「やらない」「保留」と決めて、あとはボールがどこに出てくるかに任せる、といった使い方が想定されている。
この3つのどの穴から出てくるかの確率が、ほぼ3分の1になっているというのが、この製品のポイント。要するに、何かを決める時に、サイコロや鉛筆を転がしてその出た目に任せるアレを、卵形のブラックボックスで行うようなものなのだ。
ただそれだけのものなのだけど、これが、実際にモノに触れて、ボールを自分で入れてみると、不思議と楽しいのだ。それこそ、単に1から3の数字をランダムに表示させるというだけなら、PCを使えば簡単に実現できる。
試しに、Capliotに「クリックすると1〜3の数字のどれかをランダムに表示して、もう一度クリックすると数字が消えるというJava Scriptを書いてください」と入力したら、1秒もかからずに、ちゃんと動くプログラムを書いてくれた。
しかし、クリックして、1〜3の数字が表示されたところで、そこに「面白さ」はない。仕組みも書かれたコードを見れば明らかで、不思議もない。
Tamatamagoが面白いのは、ボールが卵の中を通って出てくるという「動き」と、それが3つの穴からランダムに、しかしほぼ3分の1の確率で出てくるという「不思議」という、2つの面白さが重なっているからだろう。同じようにブラックボックスでも、コンピュータは「計算機」であり、だったら、こういう処理は得意だろうという理解がこちら側にある。しかし、ボールを転がすという至ってアナログな仕組みが、何らかの計算が必要に見える現象を起こすと、そこにはちょっとした「不思議」が表れる。
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