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わずか86gの4Kカメラも登場──今年の「GoPro」新製品はテイストが異なる2機種だった荻窪圭のデジカメレビュープラス(1/3 ページ)

» 2024年09月04日 22時17分 公開
[荻窪圭ITmedia]

 毎年、秋の恒例となっているGoProの新製品が発表された。例年とちょっと違うのは別々に開発された2つのカメラが同時に登場したことだ。

超小型の「HERO」。幅は56.6mmで重さは86gしかない(画像はすべてGoPro社提供のものです)

 一つは従来の「HERO12 Black」をより進化させた「HERO13 Black」。こちらはフラッグシップ機だ。もう一つは無印の「HERO」。こちらは小型軽量を追求したモデルという位置づけになる。

小型軽量を追求したHERO

 HEROは、GoPro史上最小の4Kカメラ。小さくて軽くてシンプルで廉価なまったく新しい製品だ。

 エントリー向けの廉価なモデルと思うと、HERO 12や13をコストダウンしたものと思われがちだけど、全然違う別ラインの製品だ。何しろ小さいのである。

 重量はHERO12 Blackの153gに対して、HEROは86gと44%の軽量化、サイズも35%の小型化を実現した。

HERO12 BlackとHERO(とAirPods Pro)のサイズ比較。フロントディスプレイはないがその分すごく小さい

 見て分かるようにフロントディスプレイを省いて小型化を実現した。バッテリーも着脱できない内蔵式だが、フルHDで約1.5時間は稼働できるという。

 位置づけとしては、エントリー向け。従来のHERO Blackシリーズはどんどん性能があがり、利用されるシーンも増え、その分機能も設定できる項目も増え、高性能だが初見では使いこなしづらい製品になっていた。

 そこを補うべく登場したのが「HERO」だ。機能も操作系もシンプルで、撮影モードは静止画と動画とスローモーションのみ。動画も4Kで30fpsで抑えているし、スローモーションや写真の設定も一つだけだ。

撮影モードは3つだけと非常にシンプルなのが特徴だ

 レンズの画角は165度とかなりの広角。

 小型化・低コスト化の影響かGoProならではの超強力な手ブレ補正「HyperSmooth」は本体には未搭載で、その処理はスマートフォン側で行う仕様になっている。スマートフォンに転送すると同時にQuikアプリが自動的に「HyperSmooth」をかけるの基本的な使い方をする限りは問題なさそうだ。

 エントリー向けといいつつ、レンズの画角は約165度と広いし、小型軽量を活かしてよりカジュアルな使い方もできる。

 価格は199ドル(日本では3万4800円)と廉価。

 エントリーユーザーにもいいが、どこにでも装着できてミスなく操作できるシンプルなアクションカメラとして良さそうである。ここまで小さくて軽いと、今までより幅広く過酷な環境での撮影ができそうで、そういうときとっさに動かすにはシンプルさは重要だ。

小さいので身体につけたときの負担も小さい

 水中で使うときに手放してしまっても浮かんできてくれるFloatyと衝撃への耐性を高める保護スリーブの2つが専用のオプションとして用意されている。

オプションの「Floaty」を装着したHERO

レンズ交換も可能なハイエンド機HERO13 Black

 従来モデルのアップデート版がフラッグシップのHERO13 Blackだ。カメラとしての性能の強化、拡張性の強化、そしてGPSの復活。この3つがトピックかと思う。

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