米Appleが9月17日から配信を開始した「iOS 18」の新機能「車両モーションキュー」。自動車などの車両に同乗者として乗りながらiPhoneを操作する際、乗り物酔いを軽減できるという。乗り物酔いしやすい記者が使い、実際の効果を確かめた。
Appleによると、乗り物酔いの原因は、見ているものと感じているものの感覚のズレにある。この機能では、複数のドットを画面の端に表示。ドットを乗り物の動きに合わせて動かし、感覚のズレを小さくすることで、乗り物酔いを軽減するという。
使い方は、iPhoneの設定から「アクセシビリティ」「動作」を選択。「車両モーションキューを表示」をタップする。iOS 18が対応するiPhone 11シリーズ以降/XS/XS Max/XR/SE(第2世代以降)で利用可能だ。
なおAppleは、車の運転時など安全に注意を払う必要のある状況で車両モーションキューを使用しないよう注意を呼び掛けている。
バスに乗り、実際の使用感を確かめてみた。オプションを「自動」に設定していると、車両が動き始めると同時にドットが表示。車両がカーブしたり、揺れたりする際には、身体にかかる力と反対方向にドットが移動する。
最初は、画面の端でちらちらと動くキューを目で追ってしまい、余計に酔うのではと感じた。しかしこれにより「見ているものと感じているものの感覚のズレ」が小さくなるのだろう。使っているうちに、乗り物酔いの軽減を実感できた。普段なら5分も持たないバス内でのスマホ操作だが、機能オンの状態であれば10分程は使えた。
ただし、それ以上スマホの操作を続けていると、少し気分が悪くなるのを感じた。その日の体調やバスの走っている道など、変数が多いため一概には言えないが、効果を過信して使い続けるのは良くないかもしれない。
厄介なスマホでの乗り物酔いだが、記者以外にも困っている人は多い。老眼鏡や酔い止めグッズなどを販売するプレスビー(神奈川県川崎市)が2021年に行った調査によると、20代から50代の男女の4人に1人が乗り物酔いをすると回答。乗り物酔いしやすい行動を聞くと、「スマートフォンを使う」という回答が最も多く、読書やゲームを抜いている。
今回確認した車両モーションキューの効果は個人的なものだが、Xでは「効果抜群」「全然気持ち悪くならない」などの投稿もある。「乗り物酔いがひどいなら、移動中にスマホを使うべきではない」といった声もあるが、タクシーやバスでの移動中にメッセージを打つなど、スマホの操作が必要なこともあるだろう。一度試してみる価値はあるかもしれない。
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