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DLsiteの“ドスケベメルマガ”、実は若手女性社員率いるチームが書いていた プロフェッショナルな作業風景(2/5 ページ)

» 2024年11月29日 10時00分 公開
[吉川大貴ITmedia]

メルマガ“ドスケベ化”の背景 きっかけは2019年

 しかし、DLsiteのメルマガは最初から突き抜けた文面だったわけではない。DLsiteのメルマガが、現在のような形になったのは2019年ごろ。同社マーケティング部門の始動と同じタイミングだった。同部門が従来のマーケティング戦略を大きく変える中で、メルマガ施策にもメスが入った。

 以前のメルマガは現在のような形ではなく、開封率などに課題もあったと、同社のマーケティング責任者である谷島貴弘さん(マーケティング部/コンテンツ部 ゼネラルマネージャー)は振り返る。当時のメンバーからは「クーポンの割引率を上げても、開封率や売上が向上しない」との相談もあったという。

photo 谷島貴弘さん

 相談をきっかけに「割引率を上げるだけではお客様の心を動かしづらいのでは?」という気付きを得たという谷島さん。「メルマガは受け取ることを許諾したお客様しか受け取ってはもらえない。お客様が何をDLsiteに望んでいるのか? 潜在ニーズを掘り起こすことが必要」と考えた。そしてこの問いの答えを探るうちに「そもそもメルマガ自体の存在を認知してもらうことが重要ではないか?」という結論にたどり着いた。

 「最終的には『メルマガを受け取っていない人に、メルマガを認知してもらう』という目的に切り替えると成果が上がるのではないか? という結論に至った」(谷島さん)

 この目的ならば、達成の自信があったと谷島さん。なぜなら、DLsiteはコアな作品の宝庫。「メールタイトルをDLsiteの魅力あるコアな作品のような文面にし、まずはメルマガ自体をコンテンツにすることで、DLsiteのお客様がSNSで面白いとネタにしてもらえるはず」──その結果、生まれたのが、冒頭で見せたようなメルマガたちだったわけだ。

 方針転換によって「メルマガを受け取っているお客様がSNSで投稿し、その投稿がバズってメルマガ自体が認知されやすくなった」という。詳細な数字は伏せたが、開封率やメルマガの認知度も伸び、売上向上にも貢献。マーケティング部にとっても成功体験になったという。

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