集計結果からは、(1)情報商材・アダルト系の広告の出やすさには個人差がある可能性、(2)PCブラウザはスマートフォンに比べてアダルト・情報商材系の広告が少ない可能性、(3)女性のアカウントはアダルト・情報商材系の広告が少ない可能性──がそれぞれうかがえる。
(1)については、記者本人としては妥当に思える。というのも、個人利用アカウントはプライベートなアカウントでもある都合上、同人作家や“夜の仕事”をしている知人のアカウント、アダルトな投稿を積極的に拡散する知人ともつながっている(ミュートやブロックもしていない)
当然、彼ら彼女らの投稿は少なからず目に入るわけで、それがパーソナライズに影響している可能性もある。故に、仕事用アカウントや知人女性のアカウントよりアダルト系の広告が多いことに違和感はなかった。もちろん、それと快不快は別の話だが。
(2)については少し意外な結果だった。アプリから閲覧している場合に比べて酒や育毛の広告が多いこともあり、PCから閲覧している場合は年齢層が高いと判断されているのかもしれない。
(3)については、アカウントの持ち主も「アダルト系・情報商材系の広告はほとんど見ない」と話しており、数字からもその傾向が明らかになった。ただ、こちらは「インフルエンサー(企業とのタイアップ投稿とみられるもの)」の広告が、他の環境で見ていたものと異なった。
記者のアカウントでは、ほとんどが有名YouTuberが上場企業や著名な外資企業とコラボレーションしている広告だったが、知人女性のアカウントでは美容系インフルエンサーを名乗るアカウントが素性の知れない化粧品を紹介するものが散見された。知人女性も「怪しい広告だと感じている」といい、単に不適切な広告の種類が男女間で異なるだけの可能性もある。
一連の結果を見るに、Xの広告については、男性のアカウントをスマートフォンアプリから見た場合など、一部でアダルト系・情報商材系の表示が増えているものの、全ユーザーに影響しているわけではない可能性がある。もちろん、そもそもサンプルが多くない他、今回の検証をしている最中にリアルタイムでパーソナライズの傾向が変わった可能性もあるので断言はできないが。
余談だが、記者のアカウントでは11月下旬、全裸の中年男性の写真が広告として流れてくる事態が頻発した時期があり、Xの広告にはめいっている。同時期に、広告表示を減らせる有料プランの割引キャンペーンが実施されていたこともあり「加入への誘導だ」とする声も聞かれたが、金を払わせるにしてももう少し気持ちよく払わせてくれないか、というのが正直な感想だ。
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