しかし、この文言が英語に訳され拡散され、海外コミュニティーなどで炎上。海外のVTuberファンを中心に「Selen Tatsukiさんのことを軽視している」など批判の声が上がり、同社の田角陸CEOが謝罪動画を上げる事態にもなっていた。
(関連記事:ANYCOLOR、代表の謝罪動画を公開 「にじさんじEN」巡る問題で【全文書き起こし、日本語訳あり】)
なお、23年には、にじさんじからは13人、NIJISANJI ENからは3人がANYCOLORを離脱。昨対比でみると、離脱者する人は少なくなっているようだ。
カバーとANYCOLORのような事業者にとって、VTueberの卒業は事業リスクの一つといえる。カバーは所属VTuberの離脱リスクについて、25年3月期第2四半期決算説明会にて「会社の競争優位性を強化し、会社と一緒にコンテンツを作っているからこそ実現できる利点を強めていくことが重要だと思っている」と、その対応策を回答している。
カバーは自社の優位性について、デビュー当初から大きな注目を集められるブランドや、グローバルなファンコミュニティー、国内最大級のモーションキャプチャースタジオ、大規模ライブが開催できる制作体制などを挙げ、これらを今後も強化していく方針を示している。
また、カバーの谷郷元昭CEOは新規VTuberの発掘について「そもそもコンスタントにタレントを投入していくことだけが正解とは考えていない」と説明。既存タレントのプロモーションに注力し、トップタレントとして売り出していくまでの循環を回していく方が、コンスタントなタレント投入よりも重要性が高いと考えを示した。
「現状の年間10〜15人規模の増員ペースは芸能人の業界に比べて、ペースが速すぎると思っている。トップタレントを生み出していくに当たっては今後はこのペースを徐々に落としていく方が一人一人のタレントをしっかりと売り出せる可能性があるため、そのようにアジャストしていく必要があると思っている」(谷郷CEO)
カバーが開催するオーディションでは多数の応募がある一方、所属タレント全体のポートフォリオを重要視しているという。例えば音楽やゲームなど、各セグメントに適したタレントの獲得に比重を置いている。また、同じグループ内でのカニバリゼーションも一定程度避けたいとし、適正量でポートフォリオを組みたいと述べている。
これに対して、ANYCOLORが12月11日に発表した、25年4月期第2四半期決算説明資料では年平均10〜15%程度の新規デビューによるVTuber数の増加を計画していると明かし、カバーと真逆の考えを示している。
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