3番目は階調のコントロール。特に役立つのはハイライト部の白トビだ。JPEGだと白トビしてしまったものはしょうがないけれども、RAWだと少しダイナミックレンジが広いデータを持っているので、白トビしていても少しは復活できるのだ。
試してみよう。レトロな室内で撮った照明。背景は暗いし、照明は白トビしてて形がよく分からない。
ここでハイライトをぐっと落としてみる。すると、RAWの段階で白トビしていた部分はしょうがないが、花をかたどったランプシェードの形が出てきた。さらにシャドウ部を持ち上げてみる。すると部屋の様子も見えてきた。
ではこれをJPEGファイルに対してかけてみると……ハイライト部が完全に失われているので、ハイライトを落としてもただ暗くなって不自然になるだけである。
また、RAWではノイズ低減処理をかける前のデータが入っているので、シャドウ部を持ち上げて出たノイズや、暗所で感度を上げて撮ったときのノイズもあとからどのくらい低減するかを微調整できる。
最近の例だと、AdobeがAIを使ったノイズ低減処理機能を実装したが、これはRAWデータにしか対応していない。
さらに、Adobeはガラスの反射を消す機能をプレビュー版として搭載してきたが、これもRAWデータのみの対応だ。
私が普段使ってるのがAdobeなので画面例はAdobeだらけだが、メーカー純正アプリでも他社のアプリでもRAW現像ならではの調整はできる。
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