この記事は新野淳一氏のブログ「Publickey」に掲載された「さくらのクラウド、コンテナをサーバレスで実行する「AppRun」製品版トライアルを開始。トライアル中は全機能が無料に」(2025年2月6日掲載)を、ITmedia NEWS編集部で一部編集し、転載したものです。
さくらインターネットは、同社のクラウドサービス「さくらのクラウド」の新機能として、いわゆるサーバレスなコンテナの実行基盤である「AppRun」の製品トライアル開始を発表しました。
AppRunは現在ベータ版で、2025年中に正式リリース予定です。製品トライアル期間中は全機能が無料で提供されます。
AppRunは、コンテナ化されたアプリケーションを簡単にデプロイし、自動的にスケーリングを行うコンテナ実行基盤を提供するサービスです。Amazon Web Services(AWS)のApp RunnerやGoogle CloudのCloud Runに相当すると言えるでしょう。
コンテナ化されていれば実行可能なため、さまざまなプログラミング言語やライブラリなどが利用可能な自由度があります。
コンテナイメージを登録するだけで本番環境へのデプロイが完了するため、開発からリリースまでのプロセスを大幅に短縮。
また、アプリケーションに対するトラフィックの変動を常時監視し、負荷に応じて自動的にインスタンス数を調整することで自動的なスケーリングを実現します。
これにより利用者はサーバのプロビジョニングやスケーリングなどのインフラ管理の複雑さを気にすることなく、アプリケーション開発に集中できることが可能になります。
AppRunはKubernetesを基盤に、Kubernetes上でサーバレスを実装するためのオープンソースである「Knative」(ケイネイティブ)を用いて構築されています。
KnativeはGoogle CloudのCloud Runで使われているソフトウェアであり、同社が2018年オープンソースとして公開。2021年にCloud Native Computing Foundationに寄贈され、現在では同団体のインキュベーションプロジェクトとして開発されています。
参考:Googleが「Knative」をCloud Native Computing Foundationに寄贈。Kubernetes上でサーバレス基盤を構築するソフトウェア
さくらのクラウドは、2025年末までに日本のガバメントクラウドの全ての技術要件を満たすことを条件に、政府全体で共通利用するクラウド基盤であるガバメントクラウドに認定されています。
ガバメントクラウドはすでにAWS、Google Cloud、Microsoft Azure、Oracle Cloud Infrastructreの4つが認定されています。そしてその技術要件は、これら大手クラウドが備える多くのアプリケーションサービスやネットワークサービス、セキュリティなどの機能を想定して定義されているのです。
そのため、さくらのクラウドでは2025年末までにガバメントクラウドの技術要件を満たすべく、大手クラウド並みのさまざまな機能の実装を進めています。
今回、製品トライアルとなったAppRunも、そうした機能の1つといえます。今年(2025年)、さくらのクラウドからはさまざまな新機能が登場するはずです。
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