国土地理院は3月10日、全国各地の山岳の標高が4月から変わるとして主な79件を挙げた。富士山は5cm高くなると昨年末に公表していたが、中には1m単位で上下するケースも。例えば北海道の羅臼岳は従来の1661mから1660mへ“低く”なる。
標高が変わる理由は、2025年4月1日から全国の基準点の標高成果(標高値)を、準天頂衛星システム「みちびき」やGPSを使った衛星測位ベースの新しいものへ移行するため。4月1日には標高改定を反映した一覧を公開するという。
従来の標高は、1891年に作られた「日本水準原点」(東京都千代田区三宅坂)からの水準測量で決められていた。水準測量とは、2地点に標尺(長いものさし)を立て、その間にレベル(水準儀)を水平に設置して標尺の目盛りを読むという、昔ながらの手法。手間と時間がかかり、日本全国を測量すると10年以上を要するという。
その上、水準測量には日本水準原点から離れるにつれて誤差が広がる特性があり、地殻変動の影響も受ける。地震の多い日本では、そうしたズレが累積していた。
国土地理院は、衛星測位基盤への移行により、測量や公共工事などの効率化、生産性向上などが期待できるとしている。また大地震発生後の復旧工事でも正しい値を迅速に利用できるため効率化が期待できるという。
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