同じようなレガシーシステムには、訪問や郵便受けがある。訪問販売、あるいは訪問詐欺の場合は、玄関チャイムをピンポンと押せば、誰か人が出てきて対応する。考えてみればこれものんきな話である。ドアを開けたとたん押し入ってきたり刺されたり撃たれたりする可能性が考えられていない。
うちはオートロックだから関係ないと思われる方もあるだろうが、戸建ての場合には玄関先まで他人が侵入してくる構造になっている。昨今は、カメラ付きインターフォンで相手を確認してからでないと応答しないという対策を取る人も多いだろう。それでも、玄関周りに何かを仕掛けられるという可能性は排除できない。
郵便は、郵便受けにチラシから何からなんでも投げ込まれて拒否できないというシステムである。迷惑チラシおことわりの張り紙をしても、関係なく投げ込まれる。なんなら「配布者が日本語を読めない」まである。
どちらも迷惑なことには違いないが、昨今はこうした方法は下火になりつつある。それは訪問にしろポスティングにしろ、人間が動いているわけだから、人件費がかかる。こうした営業行為に引っ掛かる人が激減したことで、人件費に見合うリターンが得られなくなったからだろう。
メールは大量に安価で同時発進できることから、いまだにスパムや詐欺に利用されている。しかし総務省の統計によれば、2024年3月時点における電気通信事業者10社の迷惑メールの割合は約35%であり、調査開始時である2009年1月の約72%からすれば、半減といえる。
スパムフィルターや自動タグ付け機能といった自衛手段が普及したおかげで、われわれはスパムメールを直接相手にすることはほとんどなくなった。つまり迷惑メールの減少はコスパの問題というよりも、そもそも手段として効果が薄くなってきたということであろう。
電話に関しても、同じアプローチは有効だろう。つまり迷惑電話という方法論を無意味化するための自衛手段を用意するということだ。
iPhoneに関しては、設定の「アプリ」ー「電話」の中にある「不明な発信者を消音」をオンにすると、1度もかかってきたことのない番号、連絡先リストにない電話番号から着信した場合には着信音が鳴らず、そのまま留守番電話へつながるようになる。
同じく「ライブ留守番電話」をオンにすると、留守番電話に残されたメッセージを文字起こししてくれるので、わざわざ音声で再生しなくても内容が分かる。これだけで迷惑電話に出てしまうというトラブルを避けることができる。ただ着信音がならないというだけで、相手からの着信を拒否するわけではない。
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