コミュニケーションツール「Skype」が5月5日(現地時間)をもってサービスを終了する。米Microsoftが2月28日に告知していたもので、今後は「Microsoft Teams」の無料版に注力する。同社は、終了までにTeamsへの移行か、データのダウンロードを完了するよう呼び掛けていた。SNSでは「Skypeさようなら」「俺の青春だった」など、サービス終了を惜しむ声が多く投稿されている。
Skypeは2003年に“無料IP電話サービス”として立ち上げられ、2005年に米eBayが26億ドルで買収。その時点のユーザー数は5400万人だった。eBayの下で一時期はユーザー数を4億人以上に増やしたが、リーマンショック後にeBayがSkypeを手放すと発表し、最終的にMicrosoftが2011年に85億ドルで買収した。
Microsoftは、2013年にSkypeをWindowsの標準搭載アプリとし、メッセージングサービス「Windows Live Messenger」や「Lync」をSkypeに統合している。またSkypeと平行して、Microsoftは2016年、当時台頭してきた「Slack」に対抗するため、チャットベースのワークスペースとして「Microsoft Teams」を導入。2018年に無料でも提供を開始した。TeamsのMAU(月間アクティブユーザー数)は、2024年第1四半期時点で3億2000万人と発表されている。
Skypeの共同創業者、ニクラス・ゼンストローム氏はLinkedInで、「通信の独占を打破し、世界を少し小さくするためにSkypeを作った」とし、「現在、他の企業がこの分野で革新を起こし、まったく新しい世代に新しいサービスを提供しているが、その多くは、オーストラリアに電話をかけるのにどれほど高価だったかを知らないだろう」と語った。
「Skypeの遺産は、同社の卒業生によって設立された900以上の企業や欧州のテクノロジーエコシステムに生き続けている。Skypeに参加できたのは光栄なことで、業界の変化を見ることができたのも光栄だった」(ゼンストローム氏)
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