NTTドコモの前田義晃社長は5月9日、ドコモにおける通信サービスの品質について「着実に向上している」と述べ、2024年度の改善に手応えを示した。前年度比で「5G基地局数を約20%増加させた」とも説明した。同日開かれた決算会見で語った。
同社は2024年度、「最重要課題」と位置付けて通信品質の改善に取り組んできたと説明。通信速度(スループット)は、主要都市中心部で前年比20%、鉄道沿線で同30%、山手線周辺では同80%向上したという。前田社長は「私自身も定期的に山手線に乗り、品質測定を行っている」として、その効果を強調した。
イベント時の臨時対応も強化したといい、実施件数は前年比約2倍の232件に上った。基地局や臨時設備の増設による対応を指すものとみられる。SNS上で確認される通信に関する不満の声も、同社によるモニタリング結果では約4割減少したという。
25年度も通信品質の改善を継続する方針で、Sub6や4G周波数帯を活用した5Gエリアの拡充に加え、最新型基地局装置の導入や、HPUE(High Power User Equipment)対応端末の普及を進める。「場所や時間を問わず快適な通信環境の提供を目指す」(同社)
あわせて、ネットワーク構築の抜本的な見直しを進める。組織体制・業務プロセス・調達プロセスの改革により、2026年度には基地局1局あたりの投資単価を20%削減、2027年度にはネットワーク関連投資を300億円規模で圧縮することを目指す。売り上げに対する投資比率(Capex to Sales)の目標は「16.5%以下」を掲げた。
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