米NVIDIAは6月11日(現地時間)、フランスのパリで開催のGTC Parisで、欧州におけるAI推進のための取り組みを発表した。ジェンスン・フアンCEOは、「AIの時代には、すべての製造業者が2つの工場を必要とする。1つは物を作る工場、もう1つはそれらを動かす知能を生み出す工場だ」と語り、欧州のAIブームに向けた青写真を提示した。
ドイツに世界初の産業AIクラウドを構築する。このAIファクトリーは、「DGX B200」システムと「RTX PRO」サーバを含む1万基のGPUを搭載し、「NVIDIA Omniverse Blueprint for AI factory design and operations」のフレームワークに従って構築され、あらゆる製造アプリを加速することを目指す。
また欧州の独立系ソフトウェアベンダーであるCadenceやSiemensが、NVIDIAの「AI-physics」「CUDA-X」「Grace Blackwell」「Omniverse」を使用して製品ポートフォリオを加速していることも発表した。さらに、BMWやMercedes-Benzなどの欧州の主要自動車メーカーがNVIDIAのテクノロジーを活用していると紹介。例えばBMWはOmniverseライブラリを使用して生産施設のデジタルツインを構築し、グローバル生産計画チームのリアルタイム連携やロボット開発を可能にしているという。
フアン氏は、AI産業が「インテリジェンスインフラストラクチャ」と呼ばれる新しいインフラの一部となり、すべての国、すべての社会で利用されると語った。NVIDIAは、フィンランド、ドイツ、スペイン、イタリア、英国に新しいハブを設けて技術センターのネットワークを拡大している。
フアン氏は、AIの次の波が指数関数的に始まっており、物理ロボットと情報ロボット(エージェント)の技術が目の前にあると説明した。この新しいAI時代は、推論ワークロードの急増によって推進されており、「思考する機械」として設計された新しいタイプのコンピュータであるBlackwellの必要性を強調した。
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