電動キックボードのシェアリングサービスなどを手掛けるLuup(東京都品川区)は8月5日、新車両「Unimo」(ユニモ)を発表した。座り乗りの電動三輪車で、高齢者の利用を見込む。車両区分は電動キックボードと同じ「特定小型原動機付自転車」で、運転に当たって免許は不要。ヘルメット装着は努力義務となる。年内に試乗会を複数回実施し、2026年度中に公道での実証実験を開始。その後シェアリングサービスへの導入を目指す。
白・黒を基調とした、曲線的なシルエットの車両。車体には1本の長いラインが走り、緑に光る。最高時速は20km(歩道や路側帯用モードでは6km)で、姿勢制御機能として、速度とハンドルの角度に応じて車体の傾きをモーターで自動調整する「リーンアシスト」も備える。大きさは130(幅)×59.5(奥行)×120(高さ)cmで同社の電動キックボードと同程度。Luupの既存ポートに駐車できるという。
ハンドル中央部にはスマホホルダーを備える。車体にはIoTモジュールを搭載しており、遠隔地からの操作も可能という。具体的にどんな操作を可能にするかは今後検討する。車輪の大きさは前輪が10インチ、後輪2つが12インチで、重さは約60kg。リーンアシストの開発にはトヨタグループで自動車部品大手のアイシン(愛知県刈谷市)が、車両の外見にはデザインコンサルティングを手掛けるGKダイナミックス(東京都豊島区)が協力した。
4日の発表会では報道陣に実機を公開。走行はしなかったが、人がまたがる様子を披露した。同社の岡井大輝CEOも登壇し「(新車両のようなモビリティーは)コストが課題で、大量生産されてはじめて一般に普及するところまで持っていける。このコストとどう向き合うか」と今後の課題感を説明。一方でシェアリングサービスを大規模に展開するLuupであれば大量生産に耐え、社会実装につなげられると普及への意気込みも見せた。
岡井CEOはシェアリングサービスの今後についても言及。Unimoの製造・コスト面の問題が解決したり、機能面が充実したりした暁には、電動キックボードなど既存車両を排し、シェアリングサービスで提供する車両をUnimoやその発展機に統一する可能性もあるとした。Unimoを自動運転に対応させる意欲も見せた。
同社は以前から幅広い世代が利用できる電動三輪・四輪モビリティーの展開を志向していた。既存車両は20〜30代の利用が多いが、新車両は「社会課題の解決に資するマイクロモビリティーは、高齢者も含めより幅広い人が使えるものでなくてはならない」(同社)として、若者にスタイリッシュな乗り物として訴求しつつ、シニアカーや電動車いすの代替として高齢者による利用も見込むという。
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