描けるドット数には厳しい制限があり、絶妙なゲームバランスを生み出している。新規ユーザーは60ドットしか使えず(使えるドットは徐々に増えていく)、1ドット回復するのに30秒かかるため一人で巨大な絵を描くのは不可能。何回にも分けて時間をかけて描いたり、複数人が協力することが求められ、ゲーム性が生まれる。
そこで重要になるのが、「アライアンス」と呼ばれるユーザー同士のチームだ。DiscordやXなどで仲間を集めて目標を定め、交流しながら描いている。
他人の絵の上に新たに絵を上書きすることが許されており、アライアンス同士の“陣取り合戦”も見物。昨日あった絵が、今日にはまったく別の絵で描き変えられているシーンは日常茶飯事。一期一会のデジタルアートだ。
ルール(公式ページのGoogle翻訳)。公序良俗に反する書き込みは禁じられているが「他の作品に重ねてペイントして補完したり、新しい絵を描いたりすること」「政党の旗や政治家の肖像画を荒らすこと」はOKと明示されているのが面白い「ドロップレッツ」という名のポイント制度も実装。ポイントを使って一度に描けるドット数を増やしたり、プロフィールアイコンをオリジナルにしたりできる。ドロップレッツは無課金でもたまるが、購入も可能だ。
ユーザーが増えるにつれ、都市部はイラストに埋め尽くされて後ろの地図が見えなくなってきており、“聖地の地図”として楽しめるのもあと少しかもしれない。
サービスの由来は、「Reddit」のエイプリール企画として2017年から不定期で行われている「r/place」だ。r/placeも地図上にドット絵を描くプロジェクトだが、数日間の期間限定で行われ、毎回グローバルに盛り上がるという。
Wplaceはr/placeを参考に、今夏リリースされたようだ。Wikipediaによると2025年7月21日に公開され、開発者はブラジル出身のエンジニア、Murilo Matsubara(ムリロ・マツバラ)氏だとされている。
実際、WplaceのYouTubeなど公式SNSアカウントは7月21日に公開されており、公式のInstagramアカウントには「Made in Brazil」とある。公式Discord管理人もブラジル国籍を表示しており、7月21日にブラジル発で公開されたことは事実のようだ。
ただ、開発者の氏名などはサービス内に書かれておらず、開発の経緯を確かなソースで確認することはできなかった。マップサービスにはフリーの地図ツール「MapLibre」「OpenFreeMap」を活用している。
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