ドットを描くユーザーたちは、DiscordやTwitch、Redditなどのコミュニケーションツール上で連帯し、話し合いながら大きな絵を描いたり、陣取り合戦している。
Twitchには、ユーザー同士で話し合いながら、リアルタイムでドット絵を描く様子の動画がいくつも公開されている。
運営チームはDiscordやRedditでサポート要望やバグ報告を受け付けてきた。運営チームはポルトガル語を母語にしているようで、AI翻訳を使って英語対応しているという。
Wplaceは8月初旬ごろから話題が広がり、8月8日に100万ユーザーを突破。都市部には絵が集中し、主要各国の首都圏にはぎっしりとスキマがないほど絵だらけになってきた。個人情報や公序良俗に反する絵を描くといった“荒らし”行為も目立つようになっている。
運営チームは苦労しているようだ。Discordには8月16日付けで、「当初は3人の友人から始まった私たちのチームは拡大を余儀なくされた。急成長により、サーバー容量などの技術面と、不適切な絵、偏見、困難な状況、Discordサーバーでの対立のモデレーションといったコミュニティ面の両方で課題に直面している」と声明が出された。チーム内での内紛にも悩まされているという。
運営チームは8月20日現在、一時的にDiscordサーバを停止。Wplace本体の安定運営を優先することにしたと宣言している。
ユーザー同士がリアルタイムに連携し、大きな作品を作ったり陣取りを繰り広げる様子は、2020年代のインターネット的だ。掲示板や静的なSNSとは異なり、チャット、ライブ動画・音声通話などの同期的なコミュニケーションを通じて世界中の多くのユーザーが即座に協力し合うことができ、大量の作品が生み出されている。
そのリアルタイム性は、はかなさと表裏一体だ。主要都市部は作品で埋め尽くされ、どんどん上書きされていく。アートではない落書きで上書きするなどの“荒らし”も収拾がつかなくなっており、運営は対応しきれていない。このままでは描く場所がなくなり、荒らしに対抗できないまま、一過性のブームになってしまうリスクがある。
今後、Wplaceが持続可能なデジタルアートの場として発展するかは、運営の手腕にかかっていそうだ。
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