XをはじめとしたSNSが殺伐とする中、穏やかでふんわりした日常のつぶやきが見られる――そんなSNSが人気を高めている。
LINEヤフーが提供する気象情報アプリ「Yahoo!天気」のユーザー投稿機能「みんなの投稿」だ。2022年に「みんなの天気」として正式スタートした機能だが、5年目で急に注目を浴びている。
7月以降、何度もSNSで話題になり、アクセスが数倍になったという。なぜ注目が急上昇したのか? 今後の展開は? 運営会社に聞いた。
「みんなの投稿」は、ユーザーが今いる場所の天気を、コメントとともに投稿でき、天気アイコンとともに地図上に表示できる機能だ。
「今日も暑い」といったストレートなコメントから、「雨がパラパラ降り始めた」など今の天気のお知らせ、「おはよう」「洗濯物にカマキリがついていた」といった日常のつぶやきまで、各地のユーザーからゆるいコメントが投稿されている。
投稿は完全匿名で文字数は最大60。ユーザーが今いるエリアにしか投稿できない(GPS連携)。収益化機能もないため、一カ所に集まって投稿を荒らしたり、詐欺に悪用したりすることは難しい。
日常のゆるいつぶやきが「穏やかだったころのTwitterのようだ」「次に来るSNS」とXなどで評判に。2025年7月ごろからユーザーが急増した。
天気以外の地域情報を確認する手段にもなっている。7月末には、Mrs.GREEN APPLEの野外ライブ中に騒音被害を訴える投稿が周辺エリアで多くあり、ライブ会場から漏れた音が広い範囲に届いていたことを可視化した。
LINEヤフーによると、25年2月に行ったリニューアルが、注目の背景にあるという。
この時、雨雲レーダーと同じ地図上で、モードを切り替えて見られるようにし、「みんなの天気」から「みんなの投稿」に名前を変えた。これにより、雨雲レーダーを見たついでに投稿を目にする人が増え、サービス5年目にして急に注目が高まったのだ。
同社に改めて、「みんなの投稿」の狙いや反響について聞いた。
――機能の狙いは。
天気予報やレーダーだけではわからない天候の急変察知と体感を、ユーザー投稿から知っていただける機能として提供しています。
昨今は猛暑やゲリラ豪雨など異常気象の影響もあり、より細かい天候の変化を正確に知りたいニーズが増えていると考えています。同じ雨でも「ポツポツ」「ザーザー」といった表現を投稿で加えられるため、現地の体感をより直感的に表現・理解できます。他のユーザーの実体験・感覚も参考にしてもらい、より精度の高い天気の予測と身支度などの行動に役立てていただきたい目的で提供を始めました。
――いまの主な使われ方は?
純粋な天気の様子のほか、挨拶や「これから仕事」のような日常のつぶやきも多くいただいています。
7月に話題になった後に、ゲリラ豪雨や九州地方の大雨、カムチャツカ半島の地震による津波警報などがありましたが、そのような有事の際は天気の急変・災害関連状況をしっかり投稿いただいているのを確認しています。天気や災害状況が知りたい時、役立つ機能になっている手応えを感じています。
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