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TOEIC、デジタル受験票を導入へ 不正対策で 電波検知器や本人確認の厳格化も

» 2025年09月02日 18時44分 公開
[ITmedia]

 国際ビジネスコミュニケーション協会は9月1日、英語検定試験「TOEIC」の不正防止に向けた対策を発表した。新たにデジタル受験票の仕組みや電波検知器を導入するという。

photo 国際ビジネスコミュニケーション協会の発表

 発表した対策は(1)デジタル受験票の導入、(2)本人確認書類の厳格化、(3)電波検知器の導入──の3つ。(1)では、従来の紙の受験票に代わり、受験者に顔写真やICチップを掲載・搭載した本人確認書類をオンラインで登録してもらう仕組みを、「デジタル受験票」として2026年9月までに導入する。デジタル受験票の情報と、申し込み時の氏名や住所などを照合することでなりすましを防ぐ。

 (2)では、受験時に提出を求める本人確認書類を、運転免許証やマイナンバーカードなど、ICチップを搭載したものに限定していくという。詳細は26年1月をめどに発表する。(3)については、すでに電波検知器の検証を一部で開始。今後、一定期間の検証を経て、一部の試験会場で導入する。

 同協会はこの他、23年に導入したブロックチェーン技術による合格証の改ざん防止技術も活用し、不正防止を目指す。13日には受験要領も改定。申し込み内容に不審な点があった場合、本人確認書類の確認を求め、不適切な点があった場合は受験を拒否するか、受験結果を無効化する要項などを盛り込む。

 TOEICを巡っては5月、中国籍の学生による替え玉受験やカンニングが発覚。組織的な不正の疑いも浮上しており、警視庁国際犯罪対策などが調査している。産経新聞の報道によれば、約7cmのマイクをマスク内に隠し、3mmほどの小さなビーズ型イヤフォンを付けた他の受験者に解答を教えるといった手口などが使われていた可能性があるという。

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