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無茶してこそのコンデジ? 30倍ズームのパナ「DC-TZ99」をスマホカメラ世代にこそ触ってほしい理由荻窪圭のデジカメレビュープラス(2/5 ページ)

» 2025年10月11日 07時14分 公開
[荻窪圭ITmedia]

昔懐かしい30倍ズームコンデジ

 その最新モデルが、2月に発売された「DC-TZ99」である。

四角くてコンパクトな「DC-TZ99」。レンズは望遠端まで伸ばしたところ。昔、コンデジといえばこういうスタイルだったよね

 ベースになっているのは17年の「DC-TZ90」。それが19年の「TZ95」、22年の「TZ95D」を経て、TZ99に至ったのである。

 四角くてシンプルなボディにLEICAブランドの30倍ズームレンズを搭載。うにーと伸ばすとここまで伸びる。35mm判換算で24-720mmだ。

このボディからずずっと伸びた沈胴式ズームレンズ。側面に「30x」と書いてある。24-720mm相当だ

 高倍率なだけにレンズはちょっと暗めでF3.3-6.4。

 イメージセンサーはかつてのコンデジでよく使われていた1/2.3型で約2030万画素となる。

 30倍ズームってどんなか。いつものガスタンクで撮るとこうである。拡大して見るとディテールのざらつきはあるけれども、コントラストもあって色や階調は素晴らしい。

広角端の24mm相当でガスタンク。撮影モードは「iA」モード。発色や階調はよし(24mm相当 1/800秒 F5.0 ISO80)
同じ位置から望遠端。720mm相当だとここまで寄れるのだ(720mm相当 1/640秒 F6.4 ISO80)

 24mm相当は現在スマートフォンのメインカメラで使われる画角とほぼ同じ。そこから光学30倍ズームである。

 720mmあれば何が撮れるかというと、例えばカワセミである。シャッタースピードは1/125秒。でも手ブレ補正がけっこう強力なのでブレない。

枝に止まっていたカワセミ。肉眼だと米粒ほどでも、ここまで寄れる。感度が上がるとディテールがざらつくけど、これを気軽に撮れるのはさすがだ(720mm相当 1/125秒 F6.4 ISO800)

 カメラがコンパクトでEVFもないので720mm相当ともなるとちょっと手が動いただけで被写体を見失いがちだが、そのときは「ズームバックボタン」を押す。

Fn2とあるのが「ズームバック」ボタン。超望遠時に被写体を見失ったときに

 すると押している間だけ広角側にズームバックしてくれるのでそれで被写体を中心に置いてまた指を離せばいい。

 超望遠系コンデジでは欠かせない機能だ。

 望遠端での撮影最短距離は2mなので、ちょっと遠いなと思ってもぐっとズーミングすれば撮れたりするし、ここまで望遠になると背景も大きくぼける。

コスモスが咲いていたので、ちょっと離れた花に望遠で寄ってみた。超望遠ならコンデジでもここまで背景がぼけてくれる(720mm相当 1/200秒 F6.4 ISO80)

 コンパクトな小さなカメラでここまでの望遠を楽しめるってのが往年の定番高倍率ズームコンデジの楽しさだったのだ。

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