アスクルは10月31日、ランサムウェア感染によるシステム障害に関連し、保有する情報の一部が外部に流出したことを確認したと発表した。情報が悪用されるおそれもあるとして警戒を呼び掛けている。
流出を確認したのは、法人向けEC「ASKUL」「ソロエルアリーナ」および個人向けEC「LOHACO」の利用者からの問い合わせ情報の一部と、商品仕入れ先(サプライヤー)が商品関連システムに登録していた情報の一部。具体的には、会社名、氏名、メールアドレス、電話番号、問い合わせ内容、サプライヤー担当者の部門名などが含まれる。
31日時点で流出情報の悪用による被害は確認されていないというものの、同社は「今後フィッシングメールやなりすましメールが送付される可能性がある」として注意を呼び掛けている。
なお、同社はLOHACOの決済システムにおいてクレジットカード情報を保持しない仕組みとしているため、「個人のカード情報は保有していない」としている。
同社では外部の専門機関とともに監視体制を強化し、流出に関する調査を継続している。対象者や関係先には個別に連絡を行うとともに、専用の問い合わせ窓口(0120-023-219、IP電話からの場合は03-6731-7879)を11月4日午前9時に開設する。
アスクルは10月19日にランサムウェア被害を公表し、複数の通販サービスで出荷・受注業務を停止。29日には一部商品の出荷を手作業で再開していた。30日には国際的なハッカーグループ「Ransomhouse」が約1.1TBのデータを窃取したと主張する犯行声明を出し、アスクルは31日に「声明を把握している」と明らかにしていた。
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