米Teslaは1月28日(現地時間)、2025年第4四半期の決算説明会で、同社を黎明期から支えてきたEV「モデルS」と「モデルX」の生産を終了する方針を明らかにした。イーロン・マスクCEOはこの決定について「名誉除隊(honorable discharge)させる時が来た」と表現し、次期四半期には基本的に生産を停止すると語った。これにより空いたカリフォルニア州フリーモント工場の広大な生産スペースは、自律型ヒューマノイドロボット「Optimus」の製造ラインへと転換され、将来的には同拠点で年間100万台のロボットを生産する計画という。
TeslaのOptimusのXアカウントは同日、「Model SとXは私を通じて生き続けるだろう」と、EVがロボットに生まれ変わる動画を添えて投稿した。
この大きなラインアップ刷新の背景には、Teslaが掲げる「自動運転」と「AI」を中心とした未来への完全な移行があるようだ。マスク氏は企業のミッションを「驚くべき豊かさ」へと更新し、AIとロボティクスが普及した先にある未来について「ユニバーサルベーシックインカム(UBI)ではなく、ユニバーサルハイインカム(全人類が高所得を享受する未来)が実現するだろう」という楽観的なビジョンを語った。
また、数カ月以内に発表予定の第3世代OptimusやAIインフラへの巨額投資に関連して、「AIチップがなければ、オプティマスはただのマネキンだ。『オズの魔法使い』のブリキ男以下で、歩くことさえできない」と述べ、ハードウェアと高度なAIの統合が不可欠であるとの認識を示した。
このいわゆるフィジカルAI戦略をさらに加速させるため、Teslaはマスク氏が率いる米AI企業xAIに対し、約20億ドル(約3100億円)の出資を行うことも発表した。この戦略的投資により、xAIが開発するAIモデル「Grok」をTeslaの製品群に統合する狙い。マスク氏はGrokの役割について、将来的に数千万台規模になる自動運転車やロボット群を効率的に管理するための「オーケストラの指揮者」のような存在になると説明した。
なお、同日発表された2025年第4四半期の業績は、売上高が前年同期比3%減の249億100万ドル、純利益(GAAPベース)は61%減の8億4000万ドルだった。主力車種の販売減やAIインフラへの先行投資がかさんで減収減益となった。
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