この記事は本多和幸氏と谷川耕一氏によるIT事例メディア「CaseHub.News」に掲載された「パルシステム、宅配サービス基盤をクラウド化 年間20%のコスト削減へ」(2026年4月13日掲載)を、ITmedia NEWS編集部で一部編集し、転載したものです。
パルシステム生活協同組合連合会(パルシステム連合会)は、宅配サービス基盤を含む約50のシステムを「Oracle Cloud Infrastructure」(OCI)へ移行した。4月13日、日本オラクルが発表した。同プラットフォームの「Oracle Exadata Database Service」を採用することで、Web注文の増加に伴うリソース拡張の課題を解決し、年間約20%の運用コスト削減を見込む。あわせて災害対策(DR)サイトを構築し、事業継続性の強化も図った。
パルシステム連合会は、1都12県に約170万世帯の組合員を擁する生協ネットワークだ。しかし近年、インターネット注文の利用拡大や特定時間帯へのアクセス集中により、従来のオンプレミス環境では柔軟なリソース拡張が困難な状況にあった。そこで将来の事業拡大も見据え、高い拡張性と安定性を備えた基盤への刷新を決めた。
今回のプロジェクトでは、組合員向けの注文サイトやアプリのほか、加入申し込みなどの各種インターネットサービス全般をOCIへ移行。さらに、Webサーバおよびアプリケーションサーバのワークロード用として「OCI Compute」も導入した。CPUリソースを需要に応じて自動で増減させる運用を開始したことで、アクセス集中時のレスポンス遅延を抑制し、安定したサービス提供を実現している。
レジリエンス(復元力)の強化面では、OCIの東京および大阪の両リージョンを活用したマルチリージョン構成によるDR(ディザスタリカバリ)サイトを新たに構築した。これにより、大規模災害が発生した場合でも、組合員向けのサービスを継続できる体制を確立した。
システム移行および日々の運用設計・構築は、同連合会の情報システム部門による内製化体制で進めた。自社内にノウハウを蓄積することで、迅速な改善と柔軟な対応が可能な運用基盤を整えている。データ移行に際しては、ソフトウェア販売事業者のアシストが支援した。
パルシステムの奥脇慎氏(連合会情報システム本部ITサービス部インフラサービス課)は、「OCIの高い拡張性と信頼性に優れたDR構成により、組合員が安心して利用できる体制を強化した。内製化により迅速な改善も可能になり、今後はAIやデータ活用の高度化を通じて、さらなるサービス品質の向上につなげたい」としている。
同連合会は今後、グループ内の他の業務システムについても順次OCIへの移行を進める方針。クラウド化で創出した投資余力を、新たなデジタル施策へ振り向けていく考えだ。
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