サーモス商品戦略室の星野晴己さんは「サーモスにおける保冷バッグの最初は、1980年代半ばに発売して、現在も販売している『ソフトクーラー』という製品です。これが、布物を使った柔らかい保冷バッグの原型となっています。でも、実は、80年代に最初に作ったのは、真空断熱パネルを用いたハードクーラーだったんです。当時、ソフトクーラーもないわけではなかったと思いますが、日本市場ではハードクーラーが主流でした。弊社としては真空断熱構造という技術を持っているのでそれを用いてクーラーボックス化したみたいなイメージになります」と話す。
真空断熱構造をパネルにする技術もすごいし、当時のコンシューマー向けのクーラーボックスは発泡スチロールなどを断熱材に使ったものが多かっただけに、かなりインパクトがあったと思われる。ただ、重そうではある。そして、当然だが、真空二層構造を円柱状でない形で保つのは難しいので、構造上、隙間ができてしまい、ステンレスボトルのような高い保冷効果は得られない。
それでも、保冷バッグとしての性能は高いため、90年代のアウトドア・ブームの中で立ち上げた「フィールド・サーモス」というブランドの中の製品として、97年に断熱材は真空パネルを使いつつ、外側をファブリックにしたクーラーバッグを発売。その製品はデザインや機能もアウトドア仕様に特化していたころもあって、もう少し、日常生活にも使いやすい製品をと、2000年代にはトートバッグ・タイプや、自転車の前カゴにフィットするものなどの、いわゆる保冷機能付きショッピングバッグを販売したという。
「そのショッピングバッグ的な製品群で、今も使われている『IsoTec(アイソテック)』という技術が搭載されました。完全に外も中もファブリックで形成された、いわゆる『ソフトクーラー』です。そこから、いろんなアイテムを展開し続けて現在のラインアップに至っているというのが、サーモスの保冷バッグの歴史です」と星野さん。
アイソテックの構造と効果を図にしたもの。表地と裏地の間に、断熱材が入ったファブリックをアイソテック構造と呼ぶ。今回の保冷ショルダーバッグの大きい方や、バックパックの小さい方は、この断熱材に発泡ポリエチレンを入れたアイソテックが使われているこのアイソテック断熱構造という、ソフトな素材だけで高い保冷効果を得られる技術が、アパレル小物のブランドとしての&ONDOのコンセプトとも合致する「日常生活で普通のバッグとしても使える保冷バッグ」へと発展したのが、今回の新製品ということになる。
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