KDDIは5月12日、連結子会社で発生した不適切取引事案を受け、グループガバナンス体制の刷新を発表した。2026年3月期の連結決算で発表したもので、6月1日付でグループ全体の管理を担う「ガバナンス推進本部」を設置。コーポレート部門に分散していた管理機能を統合する。
新設する本部では財務、グループガバナンス、リスクマネジメントの各部門を統合する。同本部のトップはCFOが兼任し、情報を一元的に集約。また、事業部門側にも、出資先管理部門とは別にモニタリングを行う部門を新たに設置する。
管理プロセスの運用においては、AIの積極的な活用を導入する。AIの導入にあたっては、データの秘匿性とセキュリティの確保を最優先し、社内データが外部の学習に流用されない体制を整えるという。
すでに全子会社を対象としたガバナンスの総点検を実施しており、抽出した課題を6月までに改善する計画だ。並行して、グループ経営トップとの対話セッションや、KDDIフィロソフィーを共通語として浸透させる活動を推進する。松田社長は、不適切取引が発生したビッグローブとジー・プランを直接訪問し、約260名の社員と意見交換を行っており、2026年度上期中には主要グループ会社14社への訪問を終える予定という。
松田浩路社長は、今回の強化策を「仕組みの整備と、グループ会社との信頼関係づくりというウェットな取り組みの両面からなる」と説明し、自ら再発防止の先頭に立つ意向を示した。
同日発表した2026年3月期の連結決算は、売上高が前年比4.1%増の6兆719億円、営業利益が同1.1%増の1兆991億円、純利益が同7.9%増の7071億円となった。一連の不適切取引に伴う過大計上の修正によって、比較対象となる前年度の数値を遡及して引き下げられた影響もあり、増収増益を維持した形だが、営業利益の伸びは1.1%に留まった。
主力のパーソナルセグメントでは、ARPU(1ユーザーあたりの平均売上)と契約者数が増加したものの、販促投資などの影響で純利益を押し下げた。一方、金融やDXといった注力領域が業績を牽引した。
なお、不適切取引による外部流出額や資産の減損といった一過性要因を排除した「実力値」ベースでは、営業利益1兆1643億円(同6.0%増)、当期利益7567億円(同13.6%増)と算出している。
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