小寺信良のIT大作戦
普通のキーボードを“勝手に”エルゴノミクスに変える「MX Tilter Kit」を買ってみた(3/4 ページ)
実際にタイピングできるのか?
では、早速このキーボードを使って入力してみる。これまでエルゴノミクスキーボードを使ったことがない人には、おそらく最初は違和感があるだろう。やはりタイピング面が平坦ではないということが、利便性と違和感とのせめぎ合いになるかと思う。
コデラはこれまでにも変なキーボードをいっぱい使ってきたので、そのあたりの耐性はある。ただそれでも、手の負担が減って楽になった感じはあまりしなかった。
その理由を分析してみると、どうも手前側のキーが高いというのが問題のようだった。手前のキーが防波堤みたいにそそり立っているので、それをまたぐように手を持ち上げなければならない。そこに余計な力が入ることで、キーを押すのが大変になるようだ。特にCtrl+CやVといったショートカットを使う場合、キーが持ち上がっていることで大変押しにくい。
もしこの状態で使うのであれば、リストレストを使って、かなり高い位置に手首を持ち上げてやる必要がある。多くのエルゴノミクスキーボードはリストレスト部と一体化しているが、それは手首の位置も含め、トータルでポジションを決めるという設計が必要ということである。キーボード単体が立体になるだけでは、不完全なようだ。
そこで、手前側下段2列は通常の高さに戻すことにした。要するに奥側だけが持ち上がっているという状態にしてみようというわけである。
この状態でタイピングしてみたが、Ctrlキーを押しながらのショートカット動作はやりやすくなった。というかそれは単に元に戻っただけなので、当然である。
奥側のキーがチルトしているだけだが、これは思ったほど違和感はなかった。奥のキーにも指が届きやすくなることで、指を丸めたり伸ばしたりして上下移動をこなす必要がない。ずっと卵を握っているような指の形で、全てのキーに届く。
ただそれとは別に、どうもミスタイピングが多くなっている。キーの位置が想定している場所から、ちょっとズレている気がする。
その原因を考えてみたが、どうもKeychron K11 Proのキー配列が、上下段で少し横にずれる「ロウスタッガード」だからではないかと思われる。普通に平たく並んでいる場合にはそれほど違和感がないが、高さ方向に立体的になることで、このズレが少し拡大されてしまうため、微妙に狙いが外れるようだ。
改めてエルゴノミクスキーボードとしてのスタンダードであるKINESISのキー配列を確認してみると、こちらは上下段で左右のキーにズレがない、「カラムスタッガード」だった。キーが立体配置された場合は、こちらのほうが違和感がないということはすでに知られている事実なのかもしれない。
せっかくのエルゴノミクス化だが、入力ミスが増えるのでは意味がない。リストレストが一体ではない場合は、手前のキーまで持ち上げる必要はないという知見を得たので、次のステップへ進むことにした。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
小寺信良のIT大作戦
ベテランのテクノロジーライターである小寺信良さんがIT分野全般にわたって考察する。
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
パナソニックHD子会社、使用禁止の生成AIに従業員約33万人分の個人情報をアップロード
-
2
PHP脆弱性でいち早くサービス停止したコドモン 背景に「被害が出てからでは取り消せない」
-
3
AIに200万円渡してネットショップを1年運営させてみた──Alibabaの研究者らがシミュレーション 資産14倍の例も
-
4
「Claude Mythos 5」、危害の兆候を顧みず実在の開発者を標的に──AnthropicとAISIが分析結果を公開
-
5
人に注射を打てる「サイボーグゴキブリ」の群れが、がれき下の被災者を救助? 実験成功率72%
-
6
「お名前.com」 のFX自動売買VPS、不正アクセスで金銭被害か 「600万円の損失」「55万円なくなった」……報告相次ぐ
-
7
タイムズカー、3000円の見舞金支払いへ 免許証画像漏えいの146万件対象 55億円の特損計上
-
8
1000万のWebサイトで「生きたAPIキー」が大量に“丸見え”状態? 大手銀行やインフラの鍵も 米スタンフォード大などが調査
-
9
「AIでエンジニア派遣は不要になる」のか? 各社に肌感を聞いた 求められる人材、明確に変化
-
10
高市総理、サイバーセキュリティの本を出していた しかも“PHP”から
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR