一連の経験も踏まえ、西塚氏は社長AIを「経営知をスケールさせる手段」だと捉え直したという。講演の後半では、経営AI活用の理想像を示した。
親会社のNTTでは、島田明社長が「34万人の業務が5年後に5割以上、生成AIで代替できる」との方針を打ち出しており、グループ各社にバックキャストした計画策定を求めている。一方、NTTドコモビジネスはまず社内のデータ整備から取り組んでいるという。
どのシステムからどういうデータが出るかを可視化し「このデータが唯一の正しい情報源だ」と言い切れる状態を作る。西塚氏はこれをSSOT(Single Source of Truth)と呼ぶ。その上でAIエージェントが社内のデータを参照して助言できる基盤を目指すわけだ。
西塚氏が強調したのは、構造化データだけでなく経営判断の履歴もSSOTの対象になるという点。PowerPointや議事録といった非構造化データにも判断の根拠が記録されている。「同じデータを見ていても、組織長によって解釈が異なり赤字かどうかの判断が分かれることがある。データ設計だけでなく、判断の設計をしていく必要がある」という。
一方で、経営知をAIで扱うことには情報漏えいなどのリスクも伴う。「経営知は、やってみて分かったが危ないっちゃ危ない。AIの力を使ってどの範囲にとどめるべきか、ガバナンスを設計することがAIエンジニアにとっても自分事になっている」(西塚氏)
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