数学の未解決問題「コラッツ予想」を証明? 日本人研究者がプレプリント公開 SNS上でも一部話題に:Innovative Tech
玉川大学と千葉大学に所属する川崎敏治さん(崎はたつさき)の単著論文「A proof of the Collatz conjecture」がarXivでプレプリント(査読前)として登場した。新たな不動点定理を使用してコラッツ予想を証明したという。
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このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。
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玉川大学と千葉大学に所属する川崎敏治さん(崎はたつさき)の単著論文「A proof of the Collatz conjecture」がarXivでプレプリント(査読前)として登場した。新たな不動点定理を使用して、数学の未解決問題「コラッツ予想」を証明したという。査読前のため現時点で真偽はまだだが、全世界の数学者たちがその真偽を確かめるだろう。
コラッツ予想とは、整数論における未解決問題の一つであり、1937年にドイツの数学者ローター・コラッツが提唱した。コラッツ予想では以下の操作を考える。
任意の正の整数nから始め、nが偶数ならば2で割り、奇数ならば3倍して1を加える。この操作を得られた数に対して繰り返す。
コラッツ予想は、どのような正の整数から始めても、この操作を繰り返すと最終的には必ず1に到達するというものである。例えばn=10の場合は、10→5→16→8→4→2→1、と続いて1にたどり着く。
このように複雑な経路をたどりながらも最終的には1に収束するという性質だが、これが全ての正の整数に対して成り立つことは数学的に証明されていない。
20世紀の偉大な数学者の一人であるポール・エルデシュ氏や、2006年にフィールズ賞を受賞した米UCLAのテレンス・タオ教授、米ミシガン大学のジェフリー・ラガリアス教授など、数多くの数学者がコラッツ予想の難しさについて述べている。特にラガリアス教授は「現在の数学では全く手の届かないものだ」と自身の書籍で言及している。
今回のプレプリントの発表によって、SNS上でも一部ユーザーたちの間で話題になっている。中には内容を読み検証したと思われるユーザーもおり「一部主張が成り立たないのでは」という主張も見られる。
Source and Image Credits: Kawasaki, Toshiharu. “A Proof of the Collatz Conjecture.” arXiv preprint arXiv:2502.2064(2025).
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