国内PCベンダーでは最も安価なデュアルコアCULVノートPC「FMV-BIBLO LOOX C/E50」を試す:CULVノート列伝(3/3 ページ)
Windows 7のリリースに合わせて、“ポストNetbook”と位置付けられるCULV搭載ノートPCが各社から一斉に登場した。富士通の新モデルの実力は!?
Windows 7をストレスなく利用できるパフォーマンスを備える
評価機のOSは、32ビット版のWindows 7 Home Premiumがプリインストールされている。Windowsエクスペリエンスインデックスのスコアは右の画面の通りで、チップセット内蔵グラフィックスだけに、グラフィックス/ゲーム用グラフィックスのサブスコアがともに3.2と低いが、Windows 7が備える一通りの新機能を楽しめる及第点のスコアではあるといえる。体感的にもWindows 7の通常オペレーションの使用感に不満はない。
PC USERで行っている定例ベンチマークテストの結果はグラフで掲載しているが、PCMark05のCPUスコアが2989と、Atom N270(1.6GHz)搭載Netbookの約2倍弱といったところ。総合スコアでも2705と、Netbook(1600前後が一般的)と比べて明らかに高い基本性能を実証した。チップセット内蔵グラフィックスだけに、3DMark06やFINAL FANTASY XI Official Benchmark 3では低調なスコアで、ゲーム用途には向いていない。HDコンテンツの取り扱いを前提にしたベンチマークテストであるPCMark Vantageの総合スコアは、2209を記録した。ここでもGamingやTV and Moviesなどのスコアの低さからグラフィックス性能と機能が少し足を引っ張っているが、Netbookではまともに実行すらおぼつかないことを考えれば健闘しているといえるだろう。
ボディの発熱(室温23.5度) | |
---|---|
LOOX C/E50(PCMark05終了直後) | |
キーボード左 | 32度 |
キーボード右 | 30度 |
パームレスト左 | 34.5度 |
パームレスト右 | 32.5度 |
底面左 | 37度 |
底面右 | 37度 |
バッテリー駆動時間のテストは、BBench1.01(海人氏・作)で行った。BBenchの設定は「60秒間隔でのWeb巡回(10サイト)」「10秒間隔でのキーストローク」で、無線LANで常時接続し、電源プランは「バランス」である。結果は、最高輝度時で約297分(約4時間57分)、ディスプレイの輝度設定が50%で326分(5時間26分)と、公称値の6.2時間に近い優秀な成績だ(なお、電源オプションの「バッテリ切れのレベル」は5%未満に設定できなかったので、バッテリー残量が5%の値となる)。
発熱の処理や静音性も優秀な部類に入る。室温23.5度、暗騒音32デシベルの室内でボディ正面から5センチの距離で測定した騒音はアイドル時で37デシベル、負荷時で40デシベルだった。ボディ左側面に搭載するファンは回転速度を負荷に応じて変わるが、その段階はそれほど細かくない。ギリギリまで低く保って、高速になるときは一気に上がるという印象だ。個人的には頻繁に変化するより煩わしくないと感じる。同じ室温23.5度の室内でPCMark05終了直後に放射温度計で測定した温度は別表の通りだ。表面では排気口のあるボディ左側のパームレストに少し熱を感じる程度、底面の発熱もうまく分散されているのが分かる。
CULVノートPCの魅力をストレートに生かしたマシン
評価機の実売価格は、Officeなしモデルで8万円前後、Office Personal 2007(SP2)モデルは10万円前後だ。CPUにCore 2 Duo SU9400を搭載する上位モデル(Officeなし)も同じく10万円前後となっている。直販サイトの「WEB MART」ではアンケートに答えると10%オフになるクーポンがもらえるため、それを適用するとOfficeなしモデルなら7万6320円となる。量販店でもポイント還元などを考慮すると、実質8万円以下で購入することはそれほど難しくないだろう。
今どきのモバイルノートPCとしては特別に薄いわけではないし、軽いというわけでもないが、携帯するにも特に問題のないサイズだし、バッテリー駆動時間も十分だ。ボディの構造はいかにも汎用パーツを組み合わせたようなあっさりした部分もあるが、塗装や細部の仕上げなどは上質で、見た目の印象よく仕上がっている。それでいてWindows 7を普通に利用するのに十分な性能があり、発熱や静音性にも弱点がない。価格的にNetbookほどのインパクトはないものの、この実用性を考えればコストパフォーマンスも文句ない。実にバランスがよく、CULVの省電力性能をストレートに生かした実用性の高い製品に仕上がっている。Windows 7の発売を受けて、Netbookからのステップアップを考えているユーザーにはピッタリの製品といえるだろう。
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