Celeron SU2300を搭載し低価格化とスリム化を実現したハイエンドモバイルPC──「FMV-BIBLO R」:2009年PC秋冬モデル
富士通のハイエンドモバイルPC「FMV-BIBLO LOOX R」が「FMV-BIBLO R」にモデル名を変更し、大胆に価格を引き下げたのが見どころだ。
ボディデザインを一新しスリム化を実現
富士通のモバイルPCでハイエンドに位置する「FMV-BIBLO LOOX R」が、2009年冬モデルで「FMV-BIBLO R」にモデル名を短縮し、大幅な低価格化が施された。FMV-BIBLOシリーズのなかにおいて、軽量で最もバッテリー駆動時間が長かったFMV-BIBLO LOOX Rシリーズだが、店頭向けの上位モデルで実売25万円前後(発売時)と価格が高めだった。そのため、Netbook以降の価格低下を受けて、“仕事もプライベートも1台で兼用できるモバイルPC”という基本コンセプトを堅持しつつ、ボディのスリム化と20万円を切る価格を実現したのがポイントだ。
店頭モデルは従来と同じ2モデルで構成されるが、夏モデルの上位機「LOOX R/D70」がなくなり、下位機「LOOX R/D50」のスペックを継承する「R/E70」と、新たに廉価版のデュアルコアCPUを搭載した「R/E50」が加わった。同時にボディのスリム化も果たし、厚さ29.9ミリのフルフラットボディに生まれ変わったのも見逃せない。
CPUやメモリ容量、指紋センサーの有無を除けば、ハードウェアのスペックは上下2モデルで共通だ。具体的には、R/E70に超低電圧版Core 2 Duo SU9400(1.4GHz/2次キャッシュ3Mバイト)、R/E50に超低電圧版のデュアルコアCPUであるCeleron SU2300(1.2GHz/2次キャッシュ1Mバイト)を採用する。メモリはR/E70が4Gバイト(2Gバイト×2)、R/E50が2Gバイト(2Gバイト×1)のDDR3 SDRAM(PC3-6400)を搭載し、指紋センサーはR/E70のみが標準で装備する。
そのほかの仕様は2モデルで違いはなく、チップセットにグラフィックス機能を統合したIntel GS45 Express、1280×800ドット表示対応の12.1型ワイド光沢液晶ディスプレイ(高輝度・低反射スーパーファイン液晶)や、320GバイトのHDD(5400rpm)、DVD±R DL対応のDVDスーパーマルチドライブ、ジェスチャー機能付きのタッチパッドを備える。通信機能はギガビット対応の有線LAN、IEEE802.11b/g/n準拠の無線LANとBluetooth 2.1+EDRを標準で内蔵する。インタフェースはPCカードスロットが廃止され、ExpressCardスロット(/34と/54対応)とHDMI端子が追加されたほか、3基のUSB 2.0、アナログRGB出力、SDHC対応SDメモリーカードスロットを用意する。
ボディサイズは282(幅)×215(奥行き)と、前モデルに比べて底面積は若干増えたが、27.3〜37.4ミリあった厚さが29.9ミリのフラットになった。重量も増加しているが、それでも標準装備の「内蔵バッテリパックL」搭載時で約1.37キロと2スピンドルPCとしては軽量だ。また、別売の「内蔵バッテリパック」に換装すれば、重量を約1.25キロまで下げることができる。バッテリー駆動時間はR/E70が約12時間、R/E50で約12.5時間(オプションの「内蔵バッテリパック」装着時はR/E70が約5.5時間、R/E50で約5.8時間に減る)だ。
搭載するOSは、R/E70が32ビット版Windows 7 Professional、R/E50が32ビット版Windows 7 Home Premiumで、R/E70にはWindows XP Professional(SP3)のリカバリメディアが付属する。発売は10月22日の予定で、価格はR/E70が実売19万円前後、R/E50は実売15万円前後と、従来のR/D70が実売25万円前後、R/D50が実売22万円前後でスタートしたことを考えると、大幅にプライスダウンしているのが分かる。
Web販売モデルはSSDやスティック型ACアダプタ、WWANが選択可能
富士通の直販サイト「WEB MART」では、店頭モデルの仕様をベースに非光沢液晶ディスプレイの選択や、ストレージに256Gバイト/128GバイトのSSDおよび500Gバイト/160GバイトのHDDを選ぶことが可能だ。ほかにも、スティック型の軽量ACアダプタが選べたり、モバイルWiMAX内蔵モデルやFOMA HIGH-SPEED対応モデルといったワイヤレスWANモジュール内蔵製品を購入することができる。
なお、夏モデルにあった液晶ディスプレイ天板のカラーバリエーションは、本モデルでは用意されない。
FMV-BIBLOシリーズ店頭モデルの概要(その1) | ||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
シリーズ名 | モデル名 | タイプ | 従来比較 | CPU | メモリ | HDD | OS | 実売 |
FMV-BIBLO R | R/E70 | 2スピンドル | 新デザイン | Core 2 Duo SU9400(1.4GHz) | 4096MB(DDR3) | 320GB | 32ビット版Profesional | 19万円前後 |
R/E50 | 2スピンドル | 新デザイン | Celeron SU2300(1.2GHz) | 2048MB(DDR3) | 320GB | 32ビット版Home Premium | 15万円前後 | |
FMV-BIBLOシリーズ店頭モデルの概要(その2) | ||||||||
シリーズ名 | モデル名 | 液晶 | 解像度 | チップセット | 光学ドライブ | GPU | TV機能 | 重量 |
FMV-BIBLO R | R/E70 | 12.1型ワイド | 1280×800 | Intel GS45 | 2層対応DVDスーパーマルチ | チップセット内蔵 | − | 約1.37キロ |
R/E50 | 12.1型ワイド | 1280×800 | Intel GS45 | 2層対応DVDスーパーマルチ | チップセット内蔵 | − | 約1.37キロ |
関連キーワード
FMV | BIBLO | Windows 7 | 富士通 | LOOX | DVDスーパーマルチドライブ | Netbook | Windows | ディスプレイ | FMV-BIBLO LOOX R | バッテリー | CPU | モバイルPC | 32ビット | Celeron | 超低電圧 | ハードディスク | ハイエンド | ノートPC | SSD | カラーバリエーション | ExpressCard | 指紋認証 | グレア | HDMI | リニューアル | ワイヤレスWAN | 無線LAN | Bluetooth | FOMA | LED | 新製品 | ストレージ | タッチパッド | Windows XP
関連記事
- 富士通がノートPCの比重を高めたWindows 7搭載「FMV」シリーズを大量投入
富士通の個人向けPC「FMV-DESKPOWER」「FMV-BIBLO」シリーズがラインアップを一新。Windows 7モデルを10月22日から発売する。 - “ポストNetbook”を目指す低価格スリムノートPC──「FMV-BIBLO LOOX C」
低価格ながら、Netbook以上のパフォーマンスと使い勝手のよさを目指した“ポストNetbook”の新シリーズが、富士通の「FMV-BIBLO LOOX C」だ。 - 「Windows タッチ」を気軽に楽しめる新登場のタブレットノート──「FMV-BIBLO MT」
富士通のFMV-BIBLOシリーズに、Windows 7のマルチタッチ操作に対応したタブレットPC「FMV-BIBLO MT」が追加された。簡単操作が身上だ。 - 2画面ディスプレイと地デジ機能を強化したハイスペックAVノート──「FMV-BIBLO NW」
16型ワイド液晶とデジタル放送チューナーを搭載するAVノート「FMV-BIBLO NW」は、サブ画面「タッチスクエア」の使い勝手を強化し、Windows 7の地デジ対応Media Centerに対応する。 - 64ビット版も選べるWindows 7搭載定番A4ノート、下位モデルもデザイン一新──「FMV-BIBLO NF」
主力A4ノートPC「BIBLO NF」は、64ビット版Windows 7も使える上位モデルとデザインを一新した下位モデルで展開。それぞれデザイン性や使い勝手を大きく向上させた。 - 大画面モバイルPCがWindows 7を搭載してリニューアル──「FMV-BIBLO MG」
14.1型ワイドと13.3型ワイドの液晶ディスプレイを選べる大画面モバイルPC「FMV-BIBLO MG」に、最新OSのWindows 7 Home Premium搭載モデルが登場した。 - “さらにキラキラに”、デザイン性を重視したカジュアルノートPC──「FMV-BIBLO S」
若年層や女性層を想定してデザインされたカジュアルノートPC「BIBLO S」は、一部に外観変更や基本性能の向上を図ったマイナーチェンジモデルとして展開する。 - Windows 7 Starterを搭載しHDDを強化した富士通製Netbook──「FMV-BIBLO LOOX M」
CPUにAtomを搭載した富士通のNetbook「FMV-BIBLO LOOX M」がモデルチェンジし、Windows 7の採用と基本スペックの強化が行われた。 - Windows 7に一新、地デジ+BD+タッチ対応の23型液晶一体型──「FMV-DESKPOWER F」
液晶一体型PC「DESKPOWER F」がデザインを新たに、機能も一新。Windows 7に加え、フルHDの23型タッチパネル液晶やデジタル放送、BD記録、AVCREC録画など“ほぼ全部入り”の構成となっている。【フォトレビュー付き】 - 1920×1200ドット液晶+外付けグラフィックスの高機能デスクトップ──「FMV-DESKPOWER CE」
高機能指向のセパレート型デスクトップPC「DESKPOWER CE」が、Windows 7と1920×1200ドットの高解像度液晶を備えてマイナーチェンジした。GeForce 9500GTグラフィックスカードも実装する。 - 見やすい、使いやすい、かんたん、あんしん、無料電話相談──「らくらくパソコン」
初心者やシニアユーザーにも使える“使いやすさ”を追求した「らくらくパソコン」に新モデルが登場。ディスプレイに触れて操作できる専用画面や専用開発の「らくらくマウス」を備え、購入者は1年間無料で電話相談できる。 - 重量1.26キロ/12.8時間駆動のハイエンドモバイルノート──「FMV-BIBLO LOOX R」
富士通の軽量/長時間駆動モバイルノートPC「FMV-BIBLO LOOX R」がマイナーバージョンアップ。12.1型ワイドのディスプレイとSSD、光学ドライブを備え、重量約1.26キロ、約12.8時間のバッテリー駆動を実現する。 - 特集:Windows 7のすべて
10月22日に発売が決定した新OSのWindows 7。その最新情報をはじめ、VistaやXPの違いなどがすぐ分かる!! 各PCメーカーのアップグレード情報も網羅!! - 特集:ミニノート/Netbook/UMPCのすべて
新作が続々と登場するミニノートPC。人気のVAIO type Pはもちろん、東芝や富士通、シャープといった国内メーカー製の新型Netbookに注目だ!! - ウワサの「VAIO X」など、ソニーがWindows 7搭載PCを一挙発表
Windows 7を搭載したソニーの2009年PC秋冬モデルが10月22日に一斉発売される。目玉となるモデルは、ティーザー広告が話題を集めた薄型軽量ノートPC「VAIO X」だ。 - 新シリーズ「S」と「N」登場──“ワイド”化と“セブン”化が進むLet'snote新製品発表
パナソニックは、9月29日にLet'snoteの2009年冬モデルを発表した。人気の「W」と「T」に代わる新シリーズが登場するほか、OSにWindows 7 Professionalをすべての新モデルで導入する。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.