新型MacBook Air+モバイルWi-Fiルーター「BF-01B」という快適なモバイル環境
待望の「MacBook Air」フルモデルチェンジを経て、筆者のモバイル環境はさらに快適になった。ドコモのモバイルWi-Fiルーター「BF-01B」との組み合わせもすこぶる快調だ。
“一日千秋の思い”というと大げさになるが、この1年ほど、「MacBook Air」のフルモデルチェンジを心待ちにしていた。
思い起こせば、Appleのスティーブ・ジョブズ氏が「史上もっとも薄くて軽いMac」を封筒から取り出したのは、2008年のMacworld Conference & Expo 2008でのこと。初代MacBook Airはユニボディなど現在のMacBookシリーズにつながる最新の技術・機構を搭載し、量産機とは思えないほどコストをかけて質感の高さ・細部への作り込みを行ったモバイルノートPCだった(実際、当初の販売価格はすこぶる高かった)。筆者は初代MacBook Airを常に持ち歩いて仕事で使用し、満足感はとても高かった。
しかし、その一方で、初代MacBook AirがモバイルノートPCとしては課題も多く抱えていたのも事実だ。バッテリー持続時間は短く、発熱量が大きくて重い処理を行うとCPUが熱ダレし、拡張性や運用性は必ずしも高くなかった。おのずと、それらの弱点を克服した“MacBook Airのフルモデルチェンジ”に期待がかかっていたのである。
そして今回、Appleが新型MacBook Airを発売した。既報のとおり、11インチと13インチの2モデルが用意された。当然のごとく、待ち焦がれていた筆者は新型MacBook Airを即時購入。愛用のドコモ「BF-01B」と合わせて、仕事でフル活用している。そこで今回は、約1カ月あまり使用したリポートを合わせながら、「MacBook Air+BF-01B」の組み合わせをレビューしたい。
「バッテリー持続時間の長さ」と「日常域のサクサク感」が魅力
新型MacBook Airのデザインは先代のキープコンセプトを受け継ぐ。新たに11インチモデルが加わったものの、スリム&スタイリッシュなスタイルはそのままだ。先代と同じくアルミ削りだしのユニボディを採用し、高品質なデザインと質感の高さを両立している。
しかし、そのデザインの“中身”の方は大きく進化した。
まず大きな特長として挙げられるのが、「バッテリー持続時間の長さ」だ。新型MacBook Airは本体のメイン基板を小型化し、内部容積の大部分をバッテリーパックの搭載に使用。また消費電力の大きいHDDを廃して、低消費電力のフラッシュメモリーを使った独自設計の主記憶装置「フラッシュストレージ」を搭載することで総合的なバッテリー駆動時間の拡大を行っている。これにより外部の大型バッテリーを使わずに、小型の11インチモデルで最長5時間、13インチモデルで最長7時間のバッテリー駆動時間を実現している。
そして、もう1つの特長が日常利用で小気味よく動く、「全体的な動作速度の速さ」だ。前述のとおり、MacBook Airが搭載するフラッシュストレージは低消費電力なだけでなく、動作が高速という特徴も持っており、これが同機の体感速度の速さにつながっている。CPU自体はインテル製のCore 2 Duoと最新世代ではないが、起動から各種アプリケーションの利用まで、とにかくサクサクと動いて小気味よい。また、このフラッシュストレージの速さを生かして、同機はスリープ状態になると自動的にスタンバイモードに移行し、待機時のバッテリー消費量を極限まで抑えるようになっている。それでもスリープ状態からの復帰は1~3秒ほどと高速なのだ。
このように新型MacBook Airは、これまでの“デザイン性の高さ”はそのままに、モバイルノートPCとして見ても、使い勝手のよさと気持ちよさを実現している。「iPad」で培った技術やノウハウを取り込むことで、MacBook Airは“モバイルコンピューター”としての完成度がすこぶる高まっているのだ。
筆者はこの新型MacBook Airを使うようになり、出張に15インチのMacBook Proを持って行くことをやめてしまった。出張だけではない。自宅でも“道具として気軽に使える”MacBook Airを使うことが多くなり、こちらの方がメインマシンになりつつある。
MacBook AirとBF-01Bの蜜月
さて、このMacBook Airとベストパートナーと言えるのが、NTTドコモのモバイルWi-Fiルーター「BF-01B」である。BF-01Bの魅力やメリットは過去のコラムでも書いたが、同機はドコモの広い高速データ通信(FOMAハイスピード)エリアが利用でき、最大6台までのPCやデジタル機器をWi-Fiで接続できるというもの。また、バッテリー持続時間が長く、Mzoneなど公衆無線LANアクセスや有線インターネットとの併用もできる多機能さが魅力の端末だ。
このBF-01BとMacBook Airは、大きく2つの点で相性がいいのである。
1つは「スタンバイモードからの復帰の速さ」。以前のコラムにも書いたが、BF-01Bは通信の利用が途絶えると即座にスタンバイモードに入ってバッテリー消費量を抑えるのだが、再び通信が始まったときの復帰が、他のモバイルWi-Fiルーターよりもスムーズですばやい。
前述のとおり、MacBook Airもスリープ状態からの復帰の速さがセールスポイントの1つだが、BF-01Bとの組み合わせだと、「MacBook Airのスリープ状態からの復帰」から「BF-01Bの通信開始」までがほとんど待たされることなく、スムーズなのだ。実際に使ってみると、MacBook Airのスリープが解除されてパスワード入力を終えてデスクトップ画面が表示される時には、Wi-Fiの接続は終わっているといった感じだ。その後、BF-01B側での3G接続に2~3秒ほどかかるものの、体感的にはほとんど待たされる印象がない。パッと開いて、すぐにネットが使えるのは、日常的にモバイルノートPCを使うユーザーにとってありがたいところだろう。
もう1つは「バッテリー持続時間のバランス」である。前述のとおり、MacBook Airのバッテリー駆動時間は11インチで最長5時間、13インチで最長7時間だ。一方、BF-01Bのバッテリー駆動時間は最長6時間であり、消費電力制御のうまさか、実稼働時間も6時間前後とこの手のモバイルWi-Fiルーターの中では長い。これにより今回バッテリー駆動時間が拡大したMacBook Airと組み合わせて使っても、BF-01B側のバッテリー切れをあまり意識せずにすむ。
パッと開いて、どこでも・すぐにつながる快適さ
筆者はこの1カ月あまり、新型MacBook AirとBF-01Bを持って、都内での仕事はもちろん、福岡から札幌まで全国各地を取材や講演で移動した。そこで痛感したのが、この組み合わせで実現する「パッと開いて、どこでも・すぐにつながる」ことがとても快適だということだ。MacBook Airのサクサクとすばやく動く快適さに、エリアの心配がいらないドコモインフラの安心感と、BF-01Bの接続の速さが組み合わさることで、モバイルでもインターネット接続の心配から解放される。バッテリーの心配もほとんどいらない。モバイルノートPCを日常的な道具として使うのために、これはとても重要なことだ。
日々の生活や仕事に、モバイルノートPCは欠かせない――。そんな人には、新しいMacBook AirとBF-01Bの組み合わせを自信を持ってお勧めしたい。
関連キーワード
MacBook Air | BF-01B | ポータブルWi-Fi | モバイルルータ | バッテリー | NTTドコモ | 無線LAN | モバイルPC | ノートPC | 公衆無線LANサービス | 消費電力 | CPU | インターネット | Mzone | サクサク | Apple | スティーブ・ジョブズ | 省電力 | ユニボディ | アルミニウム | 出張 | Core 2 Duo | FOMAハイスピード | iPad | MacBook Pro | SSD
関連記事
ドコモブランドのモバイルWi-Fiルータ「BF-01B」、9月25日発売
NTTドコモが、同社ブランドのバッファロー製モバイルWi-Fiルータ「BF-01B」を9月25日に発売する。あわせて、定額データプランの割り引きキャンペーンの受付期間を延長する。Mzoneへの接続に必要なIDとパスワードはどこで確認できる?
無線LAN対応機器をドコモのネットワーク経由でインターネットに接続できるモバイルWi-Fiルーター「BF-01B」が人気を博している。今回はそのBF-01Bで公衆無線LANを利用する際に気になったポイントをチェックした。ドコモの「『公衆無線LAN』新規お申込みキャンペーン」がスタート
ドコモの公衆無線LANサービスの月額使用料が1年間無料になるという太っ腹なキャンペーンが10月1日から始まった。12月31日までに新規で申し込めば、Mzoneエリアでの無線LANが1年間自由に使える。ぼくが13インチMacBook Airを買った理由
新型「MacBook Air」は非常に魅力的だが、11インチと13インチのどちらを買うかは悩ましい問題だ。初代Airを常用してきた筆者が13インチモデルを選んだ理由は……写真で見る11インチMacBook Air
「Back to the Mac」イベントで「One more thing」を飾ったのは、かねてよりウワサのあった新型「MacBook Air」だった。11インチモデルを入手したので写真で紹介しよう。11インチMacBook Airを徹底比較
8万8800円という価格で登場した新しい11インチMacBook Airは、どの程度の性能を持つのか。CPU性能は? SSDは高速? メモリ容量は? バッテリーは十分? カスタマイズは必要なの?
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.