ゲーム、スポーツ、健康機器、そして“節電”支援まで――2億台規模の市場を持つiOSアプリの現在:42万5000本、150億ダウンロード(3/3 ページ)
新しいジャンルの家電製品としては、非常に速いペースで広がり続けている「iPad」。同製品を担当する米Appleワールドワイドマーケティングのスコット・ブロドリック氏が来日し、iOSアプリケーションの現状について紹介した。
節電生活もiOSで
さて、そんなiPhoneで、我々の生活そのものを変えようと提言するアプリケーションもいくつか紹介された。最初の2つは、まさに今、節電の必要性が訴えられ続けている日本の夏のために作られたアプリケーションだ。
その1つめ、Yahoo! Japanが開発し、無償で提供している「電気予報」(無料)は、何時ごろにどの程度の電力の消費が見込まれているかを予報し、グラフで表示してくれる。その日のピーク時間も教えてくれるので、その間は電力をできるだけ使わずに、工夫で暑さを乗り切るといった対策をとることができる。
2つめの「節電大作戦」(無料)は、テレビ、エアコン、炊飯器、電気ポット、洗濯機など、家庭内にあるさまざまな家電製品の電源をオフにすると、だいたいどの程度の電力が節約され、電気代はいくらトクをするのかを教えてくれるアプリケーションだ。
一方、ちょっと変わり種が「iRemocon」という、2万6800円の周辺機器とペアで使う同名の無料アプリケーションだ。これは一度、赤外線信号を登録しておくと、自宅のテレビや録画機器、エアコンなど、赤外線リモコンで操作可能なありとあらゆる機器を外出先からでも操作可能になる。例えば、外出してからテレビの電源の切り忘れが心配になったときに、遠隔操作でそれを消したり、最寄り駅から自宅に歩いて向かう途中で冷房をかけはじめ、帰宅してすぐに快適に過ごせるようにしたり、といった具合に活用できる。
iOS機器は、仮に端末を紛失しても、MobileMeの「Find My iPhone」機能を使って簡単にありかを探したり、中に入っている個人情報などを抹消できるリモートワイプ機能といったセキュリティを備え、かつウイルスなどの危険が少なく、メンテナンスもしやすいことから、最近ではビジネス利用に注目が集まりつつある(実際、3月の震災時で生命保険会社がiPadを使って業務の効率化を図ったという事例もある)。
今回の説明会では、あえてそうしたビジネスの側面には光を当てず、日々の生活やエンターテインメントで役立つアプリケーションの紹介を中心に行っていたが、それだけでも、この新しいジャンルの“生活家電”が大きな可能性と広がりを持っていることが分かるだろう。
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