大解説! 省電力なCPUとSoCの最新事情を整理する:インテルとAMDとNVIDIAの次の一手は?(4/4 ページ)
PCが大きく変わろうとしている。タブレット市場の急速な伸びがPC市場に影響を与え、インテルもAMDもNVIDIAもタブレットデバイスを視野に入れたCPUの強化を図っている。
モバイル向けモデルの開発を急ぐインテルとAMD
インテルもまた、低価格スマートフォン市場に向けて積極的に動いている。インテルは、開発コード名“Lexinington”と呼ぶ「Atom Z2420」を低価格スマートフォン向けのモバイルCPUとして投入する計画で、シングルコアながらHyper Theading Technologyで2スレッド処理に対応するCPUは、動作クロック1.2GHzで動作する。グラフィックスコアにはPowerVR系列の「SGX540」を採用するほか、1080pのHDエンコードにも対応するビデオ機能や、最大500万画素のイメージセンサーに対応するイメージプロセッサなどを統合する。
インテルでモバイルプロセッサ事業を統括するマイク・ベル副社長は、今後も、Clover Trail+などのタブレットデバイスと高性能スマートフォン向け製品とは別に、低価格スマートフォン向けのCPUを開発していく意向を示す。
AMDも、将来的にARMコアをスマートフォンやタブレットデバイスなどのクライアント向け製品に採用する可能性もあるなど、市場動向に応じて柔軟な開発を行なっていく考えだ。AMDでは、2014年にARMコアを採用したサーバ向けプロセッサを市場に投入する計画だが、モバイルデバイス市場の動向によっては、x86コアだけではなく、ARMコアも選択肢の一つとしてロードマップを検討していく考えを示している。
2013年は、PC業界のメジャープレイヤーたちも、スマートフォンとタブレットデバイスに向けた製品で新しい道を模索するターニングポイントとなりそうだ。
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