夏に向けて、全国の企業が節電策に頭を痛めている。昨年は空調の設定温度を高くするなどの「我慢の節電」だった。インテルはパソコンにセンサーを接続し、周辺の気温や照度のデータを集めて活用することを計画している。
インテルは2012年4月9日、オフィスで使用するノートパソコンを利用して、電力を有効活用する実証実験を始めた。ノートパソコンを、その利用者の体感温度や、周辺の照度などのデータを収集する機器として利用する点が特徴だ。
実証実験では、ノートパソコンのUSB端子に接続した気温、湿度、照度を感知するセンサー(図1)の情報を集めて、それぞれのノートパソコン周辺の環境データを集める。センサーはインテルの米国本社が試作したものだ。
さらに、インテルが開発したソフトウェア「Personal Office Energy Monitor」(図2)を利用して、ノートパソコンの前にいる人が、周辺の気温をどう感じているかというデータも集める。例えば、空調の設定温度が同じでも、1日中オフィスで働いている人と、昼間の暑い時に外出先からオフィスに戻った人では、温度の感じ方が異なる。このような、「人がどう感じたか」というデータや、天候、外気温などさまざまなデータを分析して、電力消費量削減に役立つデータが集められるかどうかを検証する。
同社は今後、センサーをパソコンに接続して活用する方法を確立し、普及を進めるとしている。さらに、センサー内蔵パソコンの普及を目指し、他社や研究機関と協力していくという。
検証期間は2012年4月9日から5月11日。検証には、インテル東京本社の従業員およそ50名が参加する。
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