遠隔地から太陽光発電システムを監視、メンテナンスの省力化が可能にエネルギー管理

太陽光発電システムを備える住宅が増えてきた。しかし、太陽光発電システムを販売する業者からすると、大きな課題がある。太陽光発電システムは長期間にわたって利用するもの。点検やメンテナンスに、かなり手間がかかる。その手間を軽減してくれるシステムが登場した。

» 2012年05月24日 16時33分 公開
[笹田仁,スマートジャパン]

 NTTスマイルエナジーは、太陽光発電システムの発電量を遠隔地から確認できるシステム「エコめがねi」の提供を始めた。太陽光発電システムを販売する業者に向けたシステムであり、遠隔地から顧客の太陽光発電システムの発電状況を確認することで、定期点検の手間を軽減し、トラブル発生時に迅速に対応可能とするものだ。

 エコめがねiを利用して顧客の太陽光発電システムを監視するには、顧客宅の分電盤に同社が提供する「PVセンサー」を接続する。太陽光発電システムの発電量を検知し、その推移を示すデータを送信する機器だ(図1)。

System Architecture 図1 エコめがねiを構成する機器と、それぞれの役割

 PVセンサーは顧客宅にある無線LANルータを通してインターネット上の「エコめがねサーバー」と通信する。このサーバは同社が管理するもので、エコめがねiで監視している太陽光発電システムの発電状況データを集めている。

 顧客は、エコめがねサーバーにパソコンやスマートフォン、タブレットといった機器のWebブラウザからアクセスすることで、自宅の太陽光発電システムの発電状況をグラフなどの形で確認できる(図2)。

Graph 図2 発電量のデータを、天候情報と合わせて確認することもできる

 太陽光発電システムの販売業者は、エコめがねiを導入したすべての顧客の太陽光発電システムの発電状況を把握できる。例えば、長期間異常を検知できなければ、順調に動いていると判断でき、定期点検の回数を減らすということも考えられる。

 また、特に理由もなく発電量が急落したということが分かれば、故障などのトラブルが発生したと判断できる。このようなときに、顧客からのメンテナンス要請が届く前に、メンテナンス担当者を派遣することも可能だ。

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