コンビニに太陽光発電やBEMSを導入、北九州で地域単位の節電へスマートショップ

ファミリーマートが最新の節電技術を取り入れたコンビニエンスストアを6月に北九州市でオープンする。太陽光発電と蓄電システム、BEMS(ビル向けエネルギー管理システム)を使って店舗の電力を最適に制御するほか、地域全体の電力需給バランスも調整できる。

» 2012年05月25日 14時38分 公開
[石田雅也,スマートジャパン]

 6月にオープンするのは「ファミリーマート八幡メディアパーク店」で、最新のエネルギー管理設備を実証実験するためのモデル店舗と位置付ける。国内のスマートシティプロジェクトのひとつである「北九州市スマートコミュニティ創造事業」の一環で推進するもので、2014年12月までの約2年半にわたって実証実験を続ける予定だ。

 新店舗にはBEMS(ビル向けエネルギー管理システム)を中核にして、太陽光発電と蓄電システムのほか、直流(DC)のまま電力を効率よく使えるショーケースや宅配車両用の充電スタンドも設置する(図1)。

ALT 図1 ファミリーマートが導入する「スマート店舗システム」。出典:ファミリーマート

 BEMSを使って過去の電力使用量や気象予報のデータをもとに、空調や照明、ショーケースなどの電力需要を予測しながら、太陽光発電の発電量や蓄電システムの蓄電量と合わせて、店舗内の機器を最適にコントロールする仕組みである。さらに地域全体の電力を管理・制御する「地域節電所」とも連携して、地域内で電力需要がピークに近づいた時に店舗内の電力使用量を抑制することも可能にする。

 このプロジェクトには富士電機、デンソー、豊田通商、ヤマト運輸の4社がパートナーとして協力する。ヤマト運輸は「クール宅急便」用の冷蔵・冷凍庫付きの車両に蓄電池を搭載しており、自社の配送センターのほかにファミリーマートの充電スタンドも利用できるようになる。充電する場所が増えることによって、車両に搭載する蓄電池の小型化を図る計画である。

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