東京都に続いて神奈川県も今夏に向けた節電対策を具体的に発表した。県庁をはじめとする庁舎施設において電力使用量と使用最大電力を2010年の夏と比べて15%以上削減する。県内の中小企業に対してはピークカットに有効なデマンドコントローラの設置を促進する。
関西地域の節電対策が難航する中、関東では自治体の取り組みが本格的に動き始めた。東京都環境局が5月14日に「東京都省エネ・エネルギーマネジメント推進方針」をとりまとめて、企業や家庭における節電対策を「節電7か条」などの形で具体的に打ち出したのに続き、神奈川県総務局が6月1日に「神奈川県電力・節電対策基本方針」を発表した。
この基本方針では、まず県庁など庁舎の施設において、震災前の2010年の夏と比べて電力使用量を15%以上、使用最大電力(ピーク電力)を同じく15%以上、それぞれ削減する(図1)。さらに学校を含む県の関連施設全体でも13%以上の削減目標を設定した。
空調・照明・OA機器の節電対策に加えて、東京電力が夏のピークシフトを目的に提案している新料金体系の「サマーアシストプラン」を活用する予定だ。これにより電気料金も削減できる見込みである。ただし昨年に比べると東京電力の電力供給量が増えるため、空調の輪番停止のような利用者に負担の大きい対策は実施しない。
一方で県内の中小企業における節電対策も推進する。特にピークカットに有効なデマンドコントローラの設置を進める。1社あたり20万円の補助金制度を4月から開始したほか、国家資格をもつエネルギー管理士が企業を訪問してピークカットやピークシフトを提案する「省エネルギー診断」を強化する。
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