計画停電から大規模ユーザーを除外、経済への影響を考慮電力供給サービス

関西電力をはじめ、夏の電力不足の心配がある北海道電力、四国電力、九州電力の4社が、「万が一の備え」として計画停電の実施プランを発表した。大阪を中心に節電・停電による経済活動の停滞が喧伝されたこともあって、「特別高圧」を利用する大規模ユーザーに対しては例外措置がとられる。

» 2012年06月25日 11時52分 公開
[石田雅也,スマートジャパン]

 関西電力は7月2日から9月7日の平日を対象に実施する可能性のある計画停電の詳細を明らかにした。昨夏に東京電力や東北電力が実施した計画停電と同様に、地域ごとにグループを分けて、2時間30分ごとの停電を時間帯をずらしながら実施する方法である。北海道電力、四国電力、九州電力の3社も実施内容はほぼ同様だが、対象期間や時間帯は各地域の状況に合わせて設定した。

 今回の計画停電は「万が一の備え」となっているものの、その可能性はゼロではなく、対象地域に事業所や店舗を構える企業は早急に対応策を準備する必要がある。主に企業が利用する「高圧」(契約電力500kW以上)のうち、使用量の多い「特別高圧」に対しては例外措置が設けられた(図1)。関西電力、北海道電力、九州電力の3社は「技術的に可能な範囲で、大幅なピークカット等を条件に、一定程度の連続操業が可能な形」で計画停電を実施するとしており、実質的に対象外になると考えてよさそうだ。

 「大幅なピークカット」に関しては、九州電力が2年前の2010年の実績値と比べて15%のピークカットと規定している。関西電力と北海道電力は対象企業に対して個別に案内するとしているが、九州電力と同程度の条件を設定しているものと想定される。四国電力だけは特別高圧に対する例外措置を発表していない。

ALT 図1 電力会社が計画停電を実施する場合の送電・配電の操作イメージ。出典:関西電力

 実際に計画停電を実施する場合の周知方法やタイミングについても具体的に提示された。これも各電力会社とも同様で、各社のウェブサイトで最新の状況を掲載するほか、事前に登録されている電子メールへの通知などを実施する。電力需要が供給量の97%を超過することが予想される場合と、100%を超過することが予想される場合の2段階に分けて、97%超の場合は節電の徹底を依頼し、100%超の場合は計画停電の実施を伝える(図2)。

ALT 図2 電力会社による計画停電の連絡内容とタイミング。出典:関西電力

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