7月9日(月)−各地域で需給率9割以下、原発再稼働で需給率改善へ全国でんき予報2012夏

節電要請期間の2週目に入った。先週は北陸電力、関西電力、九州電力の各社管内で予想を上回る電力需要が発生し、使用率が90%を超えるということがあったが、各電力会社は天候の動きを見ながら、供給力を高めていく構えだ。7月9日(月)の需給率は北陸電力の85.9%が最も高く、落ち着いている。そして、いよいよ関西電力の大飯原子力発電所3号機がフル稼働を始める。

» 2012年07月09日 06時30分 公開
[ITmedia]

 7月6日(金)には、関西電力管内と九州電力管内で予想を上回る電力需要が発生し、一時的に需給率が90%を超えた。まだ夏は始まったばかり。暑さが本格化してくる時期はまだ先。夏本番に入り猛暑日が続く時期を迎える前に、各電力会社が供給能力上積みの準備を進めていることを願いたい。

 今後の需要の増加を見越して、各社は供給力を増強していく構えだ。6日に需給率90.9%という予想を出した北海道電力は、最大供給電力を6日の453万kWから489万kWまで上乗せする。予想に反して、電力使用率が一時的に90%超を記録した九州電力も、最大供給電力を6日の1466万kWから1562万kWに上げる。一方で、両社とも最大需要電力は6日に比べて下がると予想している。この結果、両社とも受給率は余裕のある数字となった。

 関西電力管内でも、6日に電力使用率が予想以上に上がり、90%超えを4回記録した(11:00〜12:00、14:00〜15:00、15:00〜16:00、16:00〜17:00)。最大供給電力の数字を見ると、2357万kWと、6日の数字と変わっていないが、これは、最大需要電力が6日の2148万kW(16:00〜17:00の実績値)から、2020万kWに下がると予想しているためと考えられる。

大飯原発3号機がフル稼働へ

 関西電力の最大需要電力に変化はないが、その構成比率は9日から大きく変化する。9日未明に大飯原子力発電所3号機がフル稼働を始めたからだ。これで、原子力発電所からの供給力が前週までの89万kWから、118万kWまで上昇する。それに伴い、揚水型水力発電所の供給力も245万kWから、357万kWに上がる。原子力発電所と揚水型水力発電所の供給力増大に合わせて、他社からの受電量を645万kWから591万kWに引き下げる。

 関西電力は7月末までに大飯原子力発電所の4号機もフル稼働させるべく、作業を進めている。4号機の出力は118万kW。フル稼働が再開すれば、揚水型水力発電所の出力増加も期待できる。

Forecast 7月9日の電力需給予測。各電力会社がウェブサイトに掲載したデータから

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